キョーリン製薬・穂川社長 キプレス特許切れ影響 AG先行発売で「ほぼ取り戻せた」

公開日時 2017/05/15 03:51
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キョーリン製薬ホールディングスの穂川稔社長は5月12日、東京都内で開いた2017年3月期(16年度)決算の説明会で、16年度に特許切れした最主力品の気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療薬キプレス(一般名:モンテルカスト)の減収影響を、オーソライズド・ジェネリック(AG)の投入により「ほぼ取りもどすことができた」と述べ、減収影響を最小化できたとの認識を示した。同社はAGを通常のジェネリック(GE)参入の約3か月前に投入した。

キプレスの16年度売上は327億円、前年度に比べて114億円の大幅減となったが、キプレスAGの売上は82億円だった。このAG売上は期初予想に比べ41億円の上振れとなる。

AGは16年9月に発売、GEは同年12月に27社から発売された。穂川社長は、AG先行発売に現時点では手ごたえを感じているとして、「AGの次なる展開をしたい」と述べ、キプレスAG以外も手掛けていく姿勢をみせた。

■フルティフォームの営業戦略見直し

16年度の医療用医薬品事業の売上は1096億円(前年度比3.9%減)だった。減収理由は6%台後半の薬価改定影響やキプレスの減収に加え、特に海外導出品の開発遅れに伴う一時金収入が入らず、結果として15年度の一時金収入の反動減が反映したことが影響した。国内の医療用医薬品(先発品)の売上は838億円(9.8%減)、後発品(AG、GE)売上は250億円(61.8%増)――だった。

17年度はキプレスの特許切れ影響が通年にわたって反映される。同剤の17年度売上計画は210億円で、前年度から117億円の減収(35%減)を見込む。キプレスAGは売上103億円、21億円の増収(25%増)に留まる。穂川社長は、「キプレスパテントクリフの影響が最大化する年。非常に厳しい年になる」と話すとともに、喘息治療薬フルティフォームなどの新薬群の成長を急ぐ考えを示した。

ただ、フルティフォームは16年度売上が101億円、前年度比39%増ではあったが、期初計画には28億円未達だった。

一般的な吸入器が患者の吸引力で服薬するのに対し、フルティフォームはボタンを押すと薬剤が噴出するエアゾール製剤。このためデバイスの使いやすさを訴求する戦略をとっていたが、計画ほど売上が上がらない。そこで17年度は戦略を見直し、「末梢気道までの良好な薬剤分布が期待でき、結果として良好な臨床効果が得られる」とのディテールを厚くするという。また、新規患者の獲得に重きを置いていたが、17年度は他剤からの切替処方の獲得に向けた取り組みに注力するとしている。

■後発品のローコストオペレーション 生産機能を集約 リメディオのMR数は現状維持

AGやGEは、薬価の毎年改定によって薬価の急落が指摘されており、低コストで安定供給するためのローコストオペレーションの徹底が課題になっている。

穂川社長は、11日の取締役会で国内に分散している生産機能を集約する方針を決議したとし、秋田、富山、滋賀にある3工場をマネージメントする新会社を設立すると説明した。業務の重なりなどの無駄を省き、製剤設計などのプロセスを効率化することで、年間10億円以上の経費節減を目指す。

ローコストオペレーションの一環として後発品担当のMRを配置しない企業も出始めている。後発品事業のMRのあり方を問われた穂川社長は、「一定程度の情報提供をするには最低限のMRは必要。(後発品事業を担う)キョーリンリメディオには100人弱のMRがいるが、増やすつもりは一切ない。いま現在は、大きな減少をする考えは持っていない」と述べた。

【16年度連結業績(前年度比) 17年度予想(前年度比)】
売上高  1153億7300万円(3.4%減) 1134億円(1.7%減)
営業利益  104億1300万円(47.0%減) 121億円(16.2%増)
親会社帰属純利益 73億500万円(46.4%減) 97億円(32.8%増)

【16年度の国内主要製品売上高(前年度実績) 17年度予想、億円】
フルティフォーム 101(72)120
ウリトス 75(75)76
デザレックス 10(-)35
キプレス 327(441)210
ペンタサ 155(161)156
ムコダイン 99(130)83
キプレスAG 82(-)103
ジェネリック計 250(155)285

【訂正】
下線部を修正しました。(5月16日10時50分)

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