MR認定センター・近澤事務局長 医療経営士取得「MRがサイエンスから遠ざかることに危機感」

公開日時 2017/07/11 03:52
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MR認定センターの近澤洋平事務局長は7月9日、都内で開催された第20回日本医薬品情報学会総会・学術大会(JASDI)で講演し、医薬品の適正使用に資する情報の収集・伝達・提供がMRの担う役割だとの考えを示した。その上で、一部の大手製薬企業が医療経営士などの資格取得推進に向けた動きがあることについて、「右へ倣えとやっている気がする。MRとは何なのか」と指摘。「本質的な仕事は、医薬品情報の収集と伝達・提供。これがしっかりできた上で付加価値的なサービスをするのはよいが、経営支援が本質的なサービスになって、その見返りに処方を頂こうというような動きになると、それはMRではない。単なるセールスマンになってしまって、サイエンスの世界から遠ざかって、MRの存在意義がなくなるという危機感をもっている」と述べた。


この日のシンポジウムでは、MR認定センター、日本製薬工業協会(製薬協)、病院薬剤部DI室からみた医薬品情報の在り方と、MRに焦点が当てたディスカッションがなされた。


近澤事務局長は、MR認定制度発足までの歴史を解説する中で、MRが医薬品の適正使用に資することで、患者、ひいては社会に貢献できると強調した。MRの不適切な広告活動などが報道されているが、「多くの優秀なMRは医療関係者から評価され信頼され、胸を張って仕事をしている。一部のやってはいけないMRや約束を守らなかったMRが少数のMRが報道され、すべてのMRが否定という形に世の中なっているが、決してそうではない。MRは果たすべき役割がある。原点に戻ってやっていく必要がある」と述べた。電車や飛行機の安全確認が常に同じ動作で行われていることを引き合いに、「命がかかわる安全対策は基本動作を何度も繰り返してできるものだ。そういったしつこさも必要ではないか」と持論を展開した。


◎製薬協・田中常務理事「PMSはMRの本来業務」



製薬協の田中徳雄常務理事は、「PMSはMRの本来業務だ」と述べ、特に副作用情報の収集の重要性を強調した。田中常務理事は、ただ医師から副作用情報を待っているのでは、副作用情報の入手に過ぎないとし、自ら積極的に情報を取得することの必要性を強調した。また、MRが定期訪問を通じて副作用発現前から対策を伝達するなど、適正使用に資する活動を行っているとし、「副作用が出る前から副作用の発現頻度を少なくなる活動をすることができる。できなければ、MR不要論と言われてしまう」と述べ、定期訪問にも意義があるとの考えを示した。

副作用報告数が少ない場合に安全性を強く打ち出す企業があることにも疑問を投げかけ、「安心という言葉を企業から言うのをやめたい。ましてや副作用報告数が少なければ先生に勧めやすいと思っているのであれば大きな間違いだ」と企業の姿勢を正した。
 

◎杏林大・若林氏「DI室から見てMRは遠い存在になってしまった」


杏林大医学部付属病院薬剤部の若林進氏は、DI室の立場から講演し、訪問規制やIT化の進展で、「DI室から見てMRは遠い存在になってしまった」と述べた。

若林氏は、安全性速報(ブルーレター)発出時にも、MRではなく、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のメールマガジン(メディナビ)で知ったケースがあると説明。「DI室がMRよりもITを活用して早く得られるようになってきた。添付文書改定もダイレクトメールで入手できる。MRの訪問の必要性もなくなってきた」と述べた。一方で、院内でDI室への院内からの質問を減らし、業務を円滑に進める上で、ニュースなどよりも早く、院内に周知することの必要性を強調。「メールで構わないので第一報をいただきたい」と述べた。また、PMSを外部企業に委託するケースがあることについても触れ、「MRの定義にある情報の収集すらもしていない。存在否定をしているのではないか」と指摘した。

さらに、新薬の説明会などで、MRがプレゼンテーション資料を回収してしまうケースが少なくなく、時には回収を拒否することもあると説明。説明会の場は、「安全に適正に使用するための情報提供が目的ではないか」とし、配布可能な資料を用いることを訴えた。

若林氏は、MRがチーム医療の一員となれるか「今のところは結論はない」とした上で、「MRの本来業務である、情報の提供と収集を育薬のことを考えて行ってほしい」と述べた。
 

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