SSRI 2万人の医師DB「PatientsMap」を解析 勤務医はMRとの対面回帰、開業医はデジタルに二極化
公開日時 2026/01/27 04:52
社会情報サービス(SSRI)は1月26日、医師2万人超の医師データベース(DB)の解析を通じ、若手医師ほど「MR訪問」へのニーズが高まる一方で、開業医は「MR離れ」が進んでいるとの調査結果を発表した。医師DB「PatientsMap」の直近3年間(2023年~25年)のデータを分析し、医師が重視する情報入手経路の変化を分析した。MRのリアル訪問は復調したほか、Web講演会は高止まりで定着していた。施設別にみると、勤務医は対面回帰の基調、開業医は「効率化(デジタル)」に二極化している。医師の経験年数別にみると、 デジタル世代の若手医師こそリアルMRとの接触機会を求めていることも分かった。
◎直近3年間 医師の医薬品情報の入手経路 リモート「減」 MRの直接訪問は増加
2023年~25年までの直近3年間の医師全体における情報入手経路の推移を見ると、コロナ禍以降に普及した「MRリモート面談」が減少に転じる一方で、「MRの直接訪問」は増加傾向を示した。一方、企業主催講演会(リアル、オンライン)は、「リアル講演会」への回帰が見られず、「WEB講演会」が高い重視度を維持している。調査したSSRIは、「知識習得はデジタルの効率性(WEB講演会)を、信頼構築はリアルの対話(MR訪問)を選択するという、ハイブリッド・モデルに移行していることを示唆したもの」と分析している。
◎勤務医は「MRの直接訪問」の重視度が増加
開業医(20床未満)、病院(20床以上)など施設規模別に情報入手経路の推移を見ると、病院勤務医は「MRの直接訪問」の重視度が増加傾向にあり、明確な対面回帰が見られた。一方で開業医は「MRの直接訪問」の重視度は依然高いものの、年々低下傾向にあった。SSRIは、「開業医はMR離れというより、診療の合間を縫って情報を得られる効率的なチャネルを選好している」として、「人的リソースの最適化が求められる」と指摘した。
◎10年未満の若手医師 MR訪問に対する重視度が増加
医師の経験年数による違いをみた。医師経験25年以上のベテラン医師は、MRのリアル訪問に対する重視度は横ばい。逆に10年未満の若手医師は、MR訪問に対する重視度が明確に増加傾向を示していることが分かった。この結果についてSSRIは、「WEBで基礎情報が完結するデジタルネイティブな若手医師だからこそ、臨床現場での個別の疑問や、WEBでは得られない「暗黙知」を提供してくれるMRの価値を再評価し始めている」と分析している。
◎「一律のDX」や「一律の訪問強化」でなくターゲット医師に応じたリアル・デジタルの最適化を
SSRIは今回の調査分析のまとめとして、全体傾向としてのハイブリッド化や、「HPの対面回帰」と「GPの効率化(デジタルシフト)」の二極化、若手医師ほど「対面の付加価値」を求め始めていることに対し、画一的な戦略では捉えきれない「市場の盲点」だと指摘。「全医師一律のDX」や「一律の訪問強化」ではなく、ターゲット医師の属性に合わせてリアルとデジタルの配分を緻密に最適化することが、投資対効果を最大化する鍵になるとの見解を示した。