官民対話 10月中に医薬品の「条件付き早期承認制度」導入へ 総合戦略にRWDの利活用も

公開日時 2017/10/03 03:52
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厚労、文科、経産の3省と医薬品業界、アカデミアの代表が一堂に集う「革新的医薬品創出のための官民対話」が10月2日開かれ、「医薬品の条件付き早期承認制度」について、10月中に導入する方針が厚労省から報告された。早期承認の条件となる製造販売後データについては、医療情報データベース(MID-NET)や、疾患レジストリーなどを通じて得られるリアルワールドデータ(RWD)を利活用できる。これに絡めて、現在見直し作業中の「医薬品産業強化総合戦略」にも、臨床試験や市販後調査の効率化・低コスト化・迅速化を主眼としたRWDの利活用を盛り込む方針を示した。

◎総合戦略の見直しに着手 最先端創薬を低コストで効率化「創薬大国」目指す

この日の官民対話では、厚労省から「医薬品産業強化総合戦略」の見直し作業の途中経過が示された。製薬企業が革新的新薬を創出するためのアプローチは、人工知能(AI)やがんゲノム医療の進展、iPS細胞の活用など、これまでになかった技術が登場する中で、低分子が中心だった時代のものから大きな変化を遂げている。一方、医薬品市場も、従来の生活習慣病を中心としたマス市場から希少疾患、がんの個別化へとシフト。医薬品の市場規模が変化する中で、研究開発のコストは製薬企業に重くのしかかる。こうした中で、医薬品産業にとって、研究開発の効率化と生産性は命題になりつつある。

総合戦略では、こうした時代に合致した、“低コストで効率的な最先端の創薬”を実現できる環境整備、規制の在り方を示す。カギを握るのが、実臨床を反映した電子的な医療情報、いわゆるRWDの活用だ。特にがんゲノム医療を推進する上では、疾患レジストリーなどを通じて集積されたRWDは有用だ。体制整備に加え、条件付き早期承認制度の導入などの規制改革により、開発期間が短縮し、革新的新薬の迅速な上市することに加え、研究開発のコスト低減と効率性の向上が見込める。環境整備により、日本を魅力的な市場とすることで、内資、外資問わず、積極的な投資を呼び込み、日本発の革新的新薬の創出を後押しする。こうした取り組みを通じ、アジアを中心とした「海外市場に展開する創薬大国」となることを目指す。

総合戦略の見直しの柱は、①日本発のシーズが生まれる研究開発環境の改善、②薬事規制改革等を通じたコスト低減と効率性向上、③医薬品の生産性向上(バイオシミラーを含む)と製造インフラの整備、④適正な評価の環境・基盤整備、⑤日本発医薬品の国際展開の推進、⑥医療とサービスを融合させるプレーヤーの創出/創薬業界の新陳代謝を促すグローバルなベンチャーの創出――の6項目。

RWDの利活用については、医薬品業界が長年にわたり、要望していた経緯もあり、官民対話でも、希少疾患の新薬創出のためにも改めて必要性を指摘する声などがあがった。


◎加藤厚労相「RWDの活用で革新的新薬の早期実用化へ道筋を」


会議冒頭での加藤勝信厚労相の発言要旨は以下。


AIやがんゲノム医療の進展、iPS技術の活用など、革新的な治療や創薬を作るアプローチは変化している。変化をとらまえて、低コストで革新的な創薬が可能になるように、そして最先端の技術が日本で早期に実用化されるように、規制や事業環境の整備に関する検討をしっかり進めていきたい。

個別化医療、がんゲノム医療の進展にあたっては、疾患のデータベース、RWD、さらにはそれを活用する仕組みづくりを推進していく。再生医療では用いていた仕組みだが、条件付き早期承認制度を医薬品についても今月中に導入していきたい。今後のRWDの活用でゲノム創薬のような革新的かつ安全な医薬品の早期実用化と開発の道筋を明確にしていきたいと思う。

日本発の医薬品を海外市場、特にアジアに展開できる創薬大国の実現を目指していきたい。医薬品についても、日本が世界有数の開発拠点であることをぜひ目指していきたい。内資、外資ともに日本に積極的に投資を呼び込み、結果として日本の患者の皆さんに最新の医薬品がスピーディーに届けられるようにしたい。
 

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