厚労省 不正広告や副作用遅延で役員の責任問う 課徴金も視野 きょう制度部会で

公開日時 2018/06/07 03:52
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ARB・ディオバン問題や化血研の不正製造問題、副作用遅延報告など製薬企業等の不正が頻発したことを受け、厚生労働省は医薬品等を製造販売する企業の役員による従業員の監視・監督を義務化し、企業のガバナンスを強化する。次期の医薬品医療機器等法(薬機法)改正で、新たに位置付けたい考えだ。現在は、役員個人に対する刑事裁判を経て懲役・罰金を課すことができるが、行政処分を行うことはできない。米国を参考に、課徴金や民事制裁金も含めた行政措置も検討する考え。収益の確保を目的とした虚偽・誇大広告などでは、売上高に応じた課徴金も視野にいれている。きょう6月7日の厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会で議論される。

◎会社役員による監視・監督などガバナンス体制に問題意識

化血研の不正製造や副作用報告の遅延、CASE-J問題など、不正事例について厚生労働省は、①違法状態にあることを役員として認識しながら、その改善を怠り、漫然と違法行為を継続する、②適切な業務運営体制や管理・監督体制が構築されていない―ことをあげ、「許可業者の役員による適切な監視・監督やガバナンス体制の構築がなされていなかったこと等に問題があった」との認識を示している。

具体的には、「不適切な広告資材であることを役員が認識しながら、漫然と当該資材を用いた広告を行った事例」や、「販売情報提供に用いる資材を社内で適切にチェックする体制が構築されていなかったため、担当者が独断で不適切な広告資材を作成し、販売情報提供に用いていた事例」などをあげている。

◎「三役」の役割を薬機法で明確化へ 抑止力としての期待も

医薬品等の品質管理、安全管理を適正に遂行する目的で、製造販売業者に「総括製造販売責任者(総責)」、「品質保証責任者」、「安全管理責任者」の、いわゆる「三役」の設置が義務付けられている。今回の薬機法改正の中では、三役の役割を薬機法の中でいかに明確化するかも議論の焦点となる。三役の役割を明確化することで、抑止力、けん制する機関として三役が機能を発揮することも視野に入る。

ただ、この管理者・責任者は法令違反があった際には、厚生労働大臣や都道府県知事は、管理者・責任者の変更を命ずることができる。一方で、法令違反があった場合に、業務改善命令・業務停止のほか、業許可の取り消しなどの処分対象となるが、三役が意見陳述する役員に対しては責任を問う規定がない。そこで、厚労省は薬機法の法改正議論の中で、役員が果たすべき責務や、責務を果たすことをうながすための措置について検討する。

特に医薬品のプロモーションをめぐっては、自社品の情報提供に使用する資材について、使用実態などの点検、監督(モニタリング)を社内で義務づける「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」の策定に向けた検討が進められており、社内のガバナンスを強化する中で、役員の役割は重要性を増すことになる。

◎不正により違法な経済的利益を取得した場合の課徴金など検討へ

また、ディオバン問題やCASE-J問題など広告に関する処分事例については、「売上の向上による収益の確保を目的として行われる違法行為としては、広告違反が最たるもの」と指摘。適応外や未承認薬などの違法行為については、経済的利益に対して社会への還元を求める声が国会の場や中医協の場などであがっていた。米国では罰金、欧州では罰則、行政処分があり、制裁金が課されている。広告違反を含め、不正により違法な経済的利益を取得した場合の課徴金などを検討する。

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