田辺三菱・18年度第2四半期 国内医療用薬は10%減収 人員減は自然減や採用抑制で

公開日時 2018/10/31 03:51
  • Twitter
  • 印刷

田辺三菱製薬は10月30日、2019年3月期第2四半期(4~9月)決算を発表し、国内医療用医薬品売上は1415億円、前年同期比で10%の減収となった。リウマチ等治療薬シンポニーや18年7月からヤンセンファーマとの間で販売枠組みを変更したクローン病等治療薬ステラーラなど重点品は増収となったものの、18年4月の薬価改定影響(100億円減収)のほか、後発品事業のニプロへの譲渡(66億円減収)、抗アレルギー薬タリオンなどでの後発品の市場浸透――といった減収要因を吸収できなかった。

20年度を最終年度とする5年間の中期経営計画では、国内要員数を5000人体制にすることを掲げている。15年末に早期退職者を募る(634人応募)などした結果、18年度第2四半期末で5154人となっている。田原永三・常務執行役員経理財務部担当は同日の決算会見で、▽自然減▽採用の抑制▽本社を含むグループ会社での再配置――で5000人体制を目指すと説明した。再度の早期退職者の募集を行うことは否定した格好だ。

■「バイオシミラーの浸食は想定ほどいっていない」

同社では自己免疫疾患領域、糖尿病・腎疾患領域の各製品の育薬と営業強化に取り組んでいる。

主要製品の上期売上は、リウマチ等治療薬レミケードは299億円(前年同期比9.0%減)、シンポニーは185億円(20.9%増)だった。ステラーラはこれまでのヤンセンとの共同販促のスキームから、田辺三菱が流通・販売する形に変更したことで、47億円を計上した。

レミケード、シンポニーとも、期初にたてた上期計画からそれぞれ14億円増、12億円増となる。石﨑芳昭・常務執行役員営業本部担当は会見で、レミケードは競合薬が多く、バイオシミラーも登場して市場環境は厳しいとした上で、「(レミケードが)主に浸食を受けたのはリウマチと乾癬の領域で、IBD(=炎症性腸疾患)領域はなんとか頑張っている。当初想定していたバイオシミラーの浸食は、営業の第一線の頑張りもあって想定ほどいっていない」と話し、これが期初計画から売上が上振れした要因と説明した。

シンポニーは自己注射が可能なうえ、潰瘍性大腸炎の効能追加もあり、口座数が増えているとした。

糖尿病領域は、DPP-4阻害薬テネリアが売上72億円(22.9%減)、SGLT2阻害薬カナグルが30億円(13.6%増)。期初にたてた上期計画にはそれぞれ11億円、6億円とどかなかった。国内初のDPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬との配合薬カナリアは30億円を売り上げた。カナリアは期初計画に対して9億円の上積みとなる。

石﨑氏は、配合薬のカナリアの処方が増えると、その配合成分のテネリア、カナグルでカニバリゼーションを起こし、これがテネリア、カナグル各単剤の上期計画未達の理由と指摘した。DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬との配合薬は11月に3剤目が登場する見通しとなっており、石﨑氏は、「3剤目が追加されるまでにカナリア、テネリア、カナグルの採用口座を最大化させたい」「3剤合計で当初計画を達成したい」と話した。

■連結業績は1.7%減収

上期の連結業績は、国内業績の2ケタ減収を、米国でのALS治療薬ラジカヴァの大幅増収や、ノバルティスに導出した多発性硬化症治療薬ジレニアのロイヤルティ収入などで押し返し、連結売上は2097億円(1.7%減)、営業利益は345億円(6.4%減)となった。営業減益は減収影響に加え、後期開発へのステージアップや中枢神経系薬の研究開発を行うニューロダーム社を17年10月に完全子会社化して研究開発費が増加したことが主な理由となる。

【連結実績(前年同期比) 18年度通期予想(前年同期比)】
売上高 2097億1000万円(1.7%減) 4350億円(0.3%増)
営業利益 345億300万円(6.4%減) 670億円(13.3%減)
親会社帰属純利益 249 億9100万円(16.2%減) 470億円(18.9%減)

【国内主要製品売上(前年同期実績) 18年度通期予想、億円】
レミケード 299(329) 555
シンポニー 185(153) 350
テネリア 72(93) 170
ステラーラ 47(0) 151
レクサプロ 68(62) 131
セレジスト 46(56) 93
クレメジン 33(33) 84
カナグル 30(26) 76
タリオン 25(79) 73
ルパフィン 3(-) 68
メインテート 26(55) 53
ワクチン計 155(144) 365
うち、インフルエンザ 9(11) 112
うち、テトラビック 41(44) 91
うち、水痘ワクチン 26(27) 55
うち、ミールビック 41(29) 55
田辺製薬販売取扱品 -(66)-
ロイヤリティ収入等 363(396) 698
うち、ジレニア ロイヤリティ 299(294)非開示
うち、インヴォカナ ロイヤリティ 49(72)非開示
※田辺製薬販売は17年10月1日付でニプロに譲渡。

関連ファイル

関連するファイルはありません。

 

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(5)

1 2 3 4 5
悪い   良い

 

 

広告

広告

広告

広告

広告

広告

市場に密着した医薬情報&マーケティング誌

 

11月号特集
(Promotion)

働き方改革が製薬企業の未来を創る

ヘルスケア産業への試金石 モノからコトへ

 

 

11/1発行

バックナンバー

 

ミクス編集部のtwitter

 

ミクスOnlineのモバイルサイトは下記QRコードよりアクセスしてください

QRコード

http://mobile.mixonline.jp/