田辺三菱製薬 ユプリズナで全身型重症筋無力症の適応追加を申請 希少疾病用医薬品に指定
公開日時 2025/10/15 04:50
田辺三菱製薬は10月14日、抗CD19モノクローナル抗体製剤・ユプリズナ点滴静注100mg(一般名:イネビリズマブ(遺伝子組換え))について、全身型重症筋無力症(gMG)の適応追加を申請したと発表した。同剤は今回の申請適応で厚労省から希少疾病用医薬品の指定を受けており、優先審査される。
ユプリズナは、基礎疾患の進行に関与する形質芽細胞および一部の形質細胞を含む自己抗体産生CD19陽性B細胞を標的として、持続的に枯渇させるヒト化モノクローナル抗体。gMGは、神経筋接合部における病原性自己抗体が関与する慢性の自己免疫疾患。眼周囲、眼球、四肢、呼吸器などに影響を及ぼす全身型の筋力低下を特徴とし、自己抗体の特異性により複数のサブタイプが存在する。gMGの治療薬は、ステロイド、免疫抑制剤、分子標的薬が承認されているが、病原性自己抗体を産生するB細胞を直接の標的とした治療薬は現在ない。
田辺三菱製薬はgMG患者を対象にした第3相国際共同試験(MINT試験)を同剤の導入元であるアムジェンと共同で実施し、同剤の有効性と安全性を評価した。今回の申請は、MINT試験データに基づく。
なお、ユプリズナは日本で2021年に「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」を効能・効果に承認された。患者は、初回投与の14日後に2回目の投与を受け、以降初回投与から6カ月ごとに1回の投与を受ける。現在、IgG4関連疾患の適応追加が申請中となっている。