【World Topics】医師主導のデジタル・クリニック
公開日時 2014/01/23 03:50
オバマケアが医療サービスプロバイダにもとめるのは「費用対効果」の高い医療の提供だ。すなわち業界の課題は「質を上げ、コストを下げる」ことである。ソリューションとして考えられているのは、予防医療の徹底と遠隔医療/在宅医療サービスの拡大による不必要な受診/通院/入院の削減および入院日数の短縮である。
2014年のコンシューマ・エレクトロニクス・ショウに提案されたソリューションのひとつは医師主導型のデジタル・クリニックである。
たとえばMD Revolution だ。http://mdrevolution.com/
医師(循環器)にして薬学博士でもある Dr. Domani が開設した”MD Revolution”は、クライアントの健康関連情報およびライフスタイル情報を集積・管理、共有でき、解析結果はモバイル機器でトラッキングできる”RevUp!”システムを独自開発。これにより、クライアントの自己健康管理を全面的にサポートすると同時に、医師、薬剤師、栄養士、エクササイズ・トレーナーなど専門職コーチ陣と情報共有することで各種専門家のモニタリングとアドバイス・サービスも提供するデジタル・クリニックだ。
クライアントは利用に先立って健康診断と遺伝子診断を受ける。これにより、クライアントは完全にカスタマイズされたアドバイスを受けることができるようになり、運動指導から疾病管理まで、すべて個別にカスタマイズされた,その意味でより効率的(と期待される)メニューが提供される。
また24/7の継続のモニタリングと全情報の共有により、より効果的で安定した疾病管理・ライフスタイルの改善などが可能になり、慢性疾患の克服も期待される。
医師の仕事は、今後「”患者を診る”ことではなく、”(患者をはじめ)人々を健康にする”ことになる」 「たとえて言えばオーケストラの指揮者のような仕事だ」とDr. Domaniは語る。デジタル・クリニックのトレンドはクライアントや患者だけでなく、医師のライフスタイルも大きく変えそうである。