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中医協総会 地域医療連携ネットワーク「利用状況や効果踏まえて評価検討」

公開日時 2019/07/11 03:52
厚労省保険局は7月10日の中医協総会に、地域医療連携ネットワーク(NW)など地域における情報共有・連携に関する資料を提示した。利活用モデルとして大分県臼杵市の「うすき石仏ねっと」や長崎県の「あじさいネット」を紹介した。一方で同省としてはオンライン資格確認や電子カルテ等の普及に向けて医療情報化支援基金を創設し、300億円を確保したと報告。今後の中医協での議論においては、「医療機関間における診療情報の電子的な送受信にかかる評価のあり方は、NWの具体的な活用状況やその効果を踏まえて検討」を論点に掲げた。

地域包括ケアシステムにおいては、エリア内の基幹病院、診療所(かかりつけ医)、保険薬局、さらには訪問看護師テーションや介護施設との間で、患者の基本情報、処方データ、検査データ、画像データなどを電子的に共有・閲覧できる仕組みの構築が求められる。ただ、電子カルテシステムの普及状況をみると、2017年度段階で400床以上の病院が85.4%と高い水準にあるものの、200床未満の病院で37.0%、一般診療所が41.6%に止まり、普及率に施設間格差が生じている。さらに、医療情報を施設間で交換・共有する標準ストレージの「SS-MIX」の導入状況は、一般病院で37.0%、一般診療所で5.4%に止まっているのが実情だ。

◎医療情報化支援基金・300億円 電子カルテシステム等の導入で初期経費を補助

このため厚労省は医療分野のICT化を支援する目的で、必要な法改正を行うと同時に、医療情報化支援基金を創設し、当初予算として300億円を確保した。この費用は、連携可能な電子カルテシステム等を導入する医療機関に対し、初期導入経費を補助することにしている。

◎大分県臼杵市「うすき石仏ねっと」8割以上の病院・診療所が参加

一方で、すでに医療・介護・保健データを地域内の医療施設間で共有するモデルも誕生している。この日の中医協総会に示された資料によると大分県臼杵市の「うすき石仏ねっと」には市内の8割以上の病院、診療所、9割以上の歯科診療所、調剤薬局、介護施設が加入。65歳以上高齢者の約7割、75歳以上高齢者の約9割が登録し、効果的な地域包括ケアの実現に寄与していることが報告された。なお、うすき石仏ねっとはクラウドを活用しており、検査・処方・注射情報等については、「隣接の二次医療圏を含む臼杵市以外の医療機関とも連携できる仕組みを構築している。

◎長崎県「あじさいネット」 薬局での有害事象確認など活用

薬局における地域医療連携ネットワークの活用事例として、長崎県の「あじさいネット」が紹介された。情報閲覧施設の内訳は、病院・診療所が209施設、歯科診療所1施設、訪問看護17施設、薬局108施設、介護6施設、行政1施設、その他2施設。このうち薬局においては、診療情報や検査値等を活用し、投与量や有害事象の確認等の安全対策に取り組んでいるという。なお、全登録患者数は8万9458人(2018年2月28日時点)で、すべて同意書取得済み。


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