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大塚製薬 統合失調症患者の社会復帰をVRで支援 ジョリーグッド社と共同開発・販売契約を締結

公開日時 2022/01/28 04:52
大塚製薬は1月27日、統合失調症患者の社会復帰をVRで支援するソリューションの開発・販売でジョリーグッド社と契約を締結したと発表した。両社は、メンタルヘルスの地域連携プラットフォームの構築を目指し、バーチャルリアリティーを活用した患者向けソーシャルスキルトレーニング(SST)に関する事業を推進する。これにより精神疾患を治療する患者の社会復帰や就労などのニーズ支援も目指す。なお、大塚製薬は契約一時金として3億円を支払う。制作開発費および販売ロイヤルティを含めると50億円規模になる可能性があるという。

◎退院後の買い物を想定 店員との会話等をVRでコンテンツ化

精神疾患においては、薬物療法をベースにSSTを患者に併用させることで再発率を下げることが報告されている。このためVRを使った仮想現実を体験することで、患者が集中し、SSTの効果を高めることが期待されているという。両社が手掛ける統合失調症向けVRコンテンツでは、①退院後の生活で必要な買い物を行う際の店員との会話、②精神科デイケア施設での利用者同士のコミュニケーション、③就労支援としてカフェで店員として働く際のジョブスキル-を想定しており、それぞれのシーンを360度の当事者体験として学ぶことができる。

◎大塚製薬はMRを通じて医療機関等に販促活動 

共同開発を行うジョリーグッドは、高度なVR映像技術をもっており、とくに発達障害領域でのSST VRにおいてて国内200以上の病院、クリニック、福祉支援施設等での導入実績がある。今回の事業において同社は、視聴に必要なVRゴーグルやタブレット端末を準備し、大塚製薬と共同でSST VRコンテンツを制作する。一方、大塚製薬は、MRを通じて医療施設等に対し、販促活動を行う。なお、顧客は、病院・診療所以外に、訪問介護ステーション、グループホームなどの福祉施設や、保健所、就労移行支援事業所、教育機関なども想定している。大塚製薬は、SST VRの使用料を含む対価を計上し、売上高に応じたロイヤルティをジョリーグッドに支払う。

こうした取り組みを通じて両社は、メンタルヘルスの「地域連携プラットフォーム」を確立させ、精神疾患の患者の社会参加に貢献したい考えだ。また、第1弾として統合失調症を取り上げるが、今後はうつ病、認知症などにSST VRコンテンツを拡げることも視野に入れている。

◎ジョリーグッドの蟹江統括顧問「リアルに近い場面で練習でき、実生活に汎化できる」

今回のVR事業におけるコンテンツ制作責任者に就任したジョリーグッドの蟹江絢子上級医療統括顧問は、「(患者は)VRの活用でリアルに近い場面で練習することができ、実生活に汎化できると考えている。それを土台として誰でも心理社会的なスキルを獲得できる社会を実現したい」と意気込みを語った。また、上路健介代表取締役は、「患者の社会復帰を全国の地域連携プラットフォームと共に支援できることに、大きな使命感と喜びを感じている。今回の提携を機にVRテクノロジーにおける社会貢献プラットフォームを国内外で展開し、事業拡大を加速していきたい」と述べた。

◎大塚製薬 井上社長「患者の社会復帰にむけたプラットフォームの構築に取り組む」

一方、大塚製薬の井上眞社長は、「近年はテクノロジーの進歩に伴い、治療薬に加え、予防から介護を含め、日常生活からのサポートの重要性が高まっている。新たなビジネスモデルを創るデジタル技術の応用も含め、最先端のVR映像技術で精神・神経疾患を抱える患者の社会復帰にむけたプラットフォームの構築に取り組んでいきたい」と強調した。

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