ベルシステム24と東洋製薬化成は2月28日、治験薬のサプライチェーンマネジメントの全プロセスに関するサービス提供で協業すると発表した。治験薬の製造から割付、配送・回収の全工程を両社で管理するというもの。これまで治験薬製造過程での各専門領域に合わせて異なっていた委託先窓口を統一することで、製薬企業の管理工数の削減および業務フローの効率化を図り、治験全体の品質向上を実現する。

2014年7月に日本が「医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキーム（PIC/S）」に加盟して以降、製薬各社とも治験薬の割付業務や配送・回収の管理といった生産フロー全体を医薬品製造機関へ委託する動きを活発化させている。一方で、治験薬の割付には盲検化および無作為化といった実績に基づく知見が必要となるものの、国内において、こうした機能を有する医薬品製造受託機関が少ないといった課題も指摘されていた。

今回の協業では、盲検化および無作為化の知見を持つベルシステム 24と、治験薬を含む医薬品製造受託機関である東洋製薬化成が協業することで、治験薬のサプライチェーンマネジメント全体を管理することが可能となる。このため東洋製薬化成は、治験薬の包装設計・製造（包装）及び GMP下における品質保証・出荷判定を行うほか、ベルシステム24はGCP下における割付表作成から治験薬の盲検化に至る治験薬割付作業を担う。両社は、「今回の医薬品製造からサプライチェーンマネジメントまでの一体型サービスの実現をもとに、より多くの製薬業界の業務効率化へ貢献したい」とコメントした。