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激変するがん領域のニーズに応え続け市場評価ツールのゴールド・スタンダードへ

20周年を迎えるオンコロジー総合DB「CancerMPact」

公開日時 2023/01/12 10:00
提供:サイニクス株式会社

サイニクス株式会社の主力製品である「CancerMPact(キャンサー・インパクト)」が2022年で発売20周年を迎えた。この間、がんの薬物療法は大きく進化を遂げたが、まさに同製品の歩みはその激変に即応し、新たなニーズに呼応し続けた歴史といえる。業界全体で積み上げてきたと言ってもいいCancerMPactの価値を、さらに今後もがん医療の進歩が期待される中でどのように高めていこうとしているのか。あらためて同製品がオンコロジー市場で果たしてきた役割を振り返りつつ、今後の20年を占う。
がん診療の進化とともに提供データを拡大 (国内30社以上が契約中)
サイニクス株式会社は、製薬企業向けに患者数予測や売上予測など市場評価サービスを提供する会社である。社員数は20名ほどながら、世界最大手のヘルスケア・コンサルティング会社Cerner Enviza(Oracle Corporation、米国)と提携し、日本で独占的にCancerMPact (がんの総合データベース)、Epi Database(患者数予測データベース)やForecast Architect(医薬品に特化した売上予測モデル)の販売、および国内におけるサポートを25年前の設立当初から展開してきた。「Cerner Envizaとの協働により、世界トップクラスのコンサルタントによる分析、インサイトを提供できるのが当社の強みです」と同社バイス・プレジデント(マーケティング・コミュニケーション)の尾尻直章氏は胸を張る。

中でも同社の主力製品である「CancerMPact」は、オンコロジー領域の戦略立案の基礎データとして、市場規模、治療動向、将来の競合状況を網羅。2022年現在、国内では大手企業からベンチャーまで30社以上と契約中であり、ユーザー数は2400名と幅広い部署で活用されている。グローバル規模でも契約企業は70社以上に上り、オンコロジー領域における市場評価ツールのゴールド・スタンダードといっても過言ではない。

少子高齢化が進み、人口構成がダイナミックに変わっている日本では、高齢者に多いがん疾患の将来予測は製薬企業にとって重要なポイントとなる。「多くの疾患では罹患数や有病者数で市場規模を測ることができますが、がんの場合は進行・再発の患者さんを含めないと薬剤市場が過小評価されてしまう可能性がありました。世に出ていない再発率を分析する必要性からCancerMPact開発に至ったという経緯があります」と同バイス・プレジデント(クライアント・サービス)の庄司泰章氏は話す。すなわち、国が公表している全国規模の罹患数や生存率のデータを基に進行・再発を加味した真の「治療対象患者数」を提供できるのがCancerMPactの最大の特徴だ。

CancerMPactが日本で発売された2002年は、まだ抗がん剤を取り扱う製薬企業は少なく、治療選択肢も限られていた中で、がん治療で最大のターニングポイントになった分子標的薬が普及し始めた頃だ。その後、免疫チェックポイント阻害薬など新規作用機序のがん治療薬が次々と上市され、この20年でオンコロジー市場が劇的に変化してきたのは周知のとおり。市場ニーズが拡大するとともに多様化していく中、CancerMPact では患者数の予測だけでなく、治療形態や薬剤市場の現状やアンメットニーズを提供する治療動向、および上市間近の薬剤の開発状況や標準治療への影響度を分析した開発動向のレポート提供なども順次追加してきた。

さらに近年、臓器横断的に適応症を持つ薬剤が増え、進行中の臨床試験を追跡し、最新情報を持ち続けることが困難になっている。そのニーズに応える形で、オンコロジー領域の全ての臨床試験を1つにまとめたデータベースを追加し、製薬企業がオンコロジー市場を評価する際に必要なデータのラインナップを拡大してきた。激動の20年ともいえるオンコロジー市場の成長とともに、CancerMPactもまた大きな進化を遂げてきたわけだ。


(製品の詳細はこちら:https://synix.co.jp/cancermpact

データ分析の膨大な時間を削減し戦略立案に注力できる体制を支援
CancerMPactがなぜ製薬業界でゴールド・スタンダードとなりえたのか。一つは、激変するオンコロジー市場のニーズに呼応し続けてきたからにほかならない。医療現場では、専門医制度が浸透したり、画期的な新薬や治療方法の開発を背景に個別化医療が進展し、患者の治療の選択肢は多様化している。各種がん学会の治療ガイドラインも頻回に見直され、そのたびに標準治療もアップデートされるほか、治療セグメントも細分化されているのが現状だ。

「治療に関するデータはなかなか精度の高いものがなく、入手できても適応症別などのデータ分析には専門的な知識とスキルが必要です。CancerMPactでは毎年、実際に治療に携わる先生方に市場調査を実施していますが、ガイドラインや最新の薬剤開発の傾向、バイオマーカーなどの状況を見極め、がん種別に調査自体の見直しを行って、オンコロジー市場の分析で欠かせない情報やデータの収集に努めています」と同バイス・プレジデント(リサーチ&コンテンツ)の木塚陽子氏は説明する。例えば、過去に“非小細胞肺がん”という1つのカテゴリーで済んでいた調査が、今は遺伝子変異別の治療動向を把握するために調査票は10に増加し、調査内容も毎年、新たに設計あるいは更新されている。このような臨床医への市場調査により現在、約30がん種、治療ラインや組織型、バイオマーカーなどサブタイプ別では100以上の切り口で患者数や治療動向を分析できるという。

同調査はCerner Enviza社のオンコロジー専門チームが最新の治療実態を踏まえ、製薬企業全体の開発動向からビジネスニーズを考慮して設計している。同チームを構成する約30名のコンサルタントやアナリストの大半はPh. D(博士号)を有し、がん治療医たちと日々コミュニケーションを図っているオンコロジー市場のスペシャリストだ。一方、国内ではサイニクスの専門スタッフが日本のガイドラインや承認薬をリサーチし、グローバルの調査が日本国内へのニーズに即しているかといった観点から確認、その上で最終的に調査を実施する。日本語化においても用語の微妙なニュアンスを的確に反映させることができるかどうかが調査の精度を左右することから、外注化せず社内で対応するなどクオリティの追求は徹底されている。

「重要なのはグローバルとローカル、双方の視点からのサポートになっている点です。各国によって疫学や治療ガイドラインは異なりますので、がん治療を理解した専門スタッフによってローカライズされた調査指標や分析が反映されているのも特徴といえます」と木塚氏は話す。

もう一つ、CancerMPactが業界に浸透した理由は、再発率を加味した患者数予測はもちろん、製薬企業が必要とするデータセットがワンストップで提供される基盤をつくり上げているからであろう。他社が追随できないデータの提供と同時に、各種データが示唆するインサイトを専門コンサルタントにより提供できるのも同社の強みとなっている。「データ分析に掛ける膨大な時間を、本来われわれが考えるべき開発戦略にフォーカスできるようになっている」と製薬企業からの評価も高い。
顧客と一緒に価値を積み上げ今後の20年も進化し続ける
サイニクスはがん登録データを2002年から活用している民間企業として、全国がん登録の活用の普及にも力を入れている。厚労科研費がん対策推進総合研究事業の研究班で分担研究員も務め、製薬企業が必要とする統計データについて外部に向けて発信しているほか、公的データに精通している強みを生かし、CancerMPactのさらなるブラッシュアップを図っていく考えだ。そのためにはスタッフの日々の研鑽も欠かせないという。

「免疫チェックポイント阻害薬に代表されるように細かいセグメントで臨床研究が行われ、見方を変えれば新たなマーケットを次々と創り出されているような状況の中で、当社としても開発の早期フェーズから高度なサポートが求められています。われわれもCancerMPactをフル活用しつつ、学会などで今の臨床を押さえるという日々のアクティビティで、より知識やスキルを磨いていく必要があります」と庄司氏は話す。

サイニクスは2022年11月17日、「激変の20年~オンコロジーの過去と未来」と題してCancerMPact 20周年の特別企画ウェビナーを開催。300名を超えるユーザーが参加した。元・製薬企業OBUヘッド、腫瘍内科医、疫学研究者など、がん登録やがん治療の20年に精通する識者5名が講演した。その中でアンメット・メディカル・ニーズの高い希少がんの開発においてディスカッションが行われ、がん登録データ、ゲノム情報、全例調査データなど、個々のデータが独立しリンクづけられていないことが課題として挙げられた。モデレーターの松田智大氏(国立がん研究センター がん対策研究所 国際政策研究部)は、これら課題に対して医療現場や薬剤開発の促進・効率化のためにはこれらデータのリンケージが必須であるとし、一つのゴールを目指す国を挙げた強いリーダーシップの必要性を強調した。

前出の尾尻氏は「課題は山積していますが、顧客と一緒にCancerMPactの価値を積み重ね、これからの20年も進化させていきたい」と抱負を語る。サイニクスは、がんの基礎から市場の見方、競合品の見方や選び方など、製薬企業が市場評価でどの段階にいるのか、どんなサポートを必要としているのかを、長年の経験を通じて理解・把握できる数少ない企業の一つ。まだまだ変化をし続けるオンコロジー市場において、ビジネスと治療の両側面から対応し、できるだけ有用な情報を今後も製薬企業に届けていく構えだ。


(20年の変遷を動画で解説中:https://synix.co.jp/cancermpact20th-anniversary)

【お問い合わせ先
サイニクス株式会社
〒105-6027 東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー 27階
Tel: 03-4212-8160
Email:market.assessment@synix.co.jp 
HP:https://synix.co.jp/

オンコロジー総合データベースCancerMPact 20周年特設サイト
https://synix.co.jp/cancermpact20th-anniversary 
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