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自民党・医薬安保議連が再スタート 薬粧連合が抗菌薬や血液製剤、ワクチン、麻酔薬の国産化を訴え

公開日時 2025/05/21 04:51
自民党の「医薬安全保障を確立する議員連盟」(松野博一会長)は5月20日、医薬化粧品産業労働組合連合会(薬粧連合)からの提言を受けた。薬粧連合は、世界に伍していくために日本の強みを形にすることが必要として、抗菌薬や血液製剤、ワクチン、麻酔薬の国産化などを訴えた。議連は、薬粧連合から薬価制度改革などの提案を受けることが一つの特徴。前会長である亀岡偉民前衆院議員は、「薬粧連合の皆さんが力を持って会社で発言を持てるような、その結果良い行政ができるような環境づくりに、議連も一緒になって並走していく」と話した。議連では安定供給と創薬人材育成について重点的に議論を深める考え。

議連は23年に発足。昨年の衆院選の結果を踏まえ、新たに会長に松野博一衆院議員が就任するなど、人事を刷新し、この日再スタートを切った。松野会長は、「文部科学大臣の時に、アカデミアが持つシーズをどう企業と結びつけ、産業化していくかに取り組んできた。オープンイノベーションを進めてきたが、環境整備に至らない点もあるかと思う。しっかりと環境整備に努めて参りたい」と意欲を示した。

◎薬粧連合の薬価制度改革案を提言 亀岡前議員「薬粧連合が会社で発言を持てるように」

前会長である亀岡氏は、議連は新型コロナワクチンの国内開発・供給体制の確立など、医薬品安全保障に取り組むことを主眼としていると説明。これまでの取組みの成果として、自己増殖型mRNAワクチン(レプリコンワクチン)を世界に先駆けて日本で薬事承認し、欧米が追従するという「成功事例」が出てきたなどと説明。「これからも結果を出す議連として進めていただきたい」と述べた。この日の議連でも、出席議員から「例えば、反ワクチンの人たちもいるなかで平時から対応しておかないと、いざという時に多くの人にワクチンを打てない可能性も出てくる。そういったことも議論してはいかがか」などとの声もあったという。

議連は、薬粧連合が参画することを一つの特徴としている。亀岡氏は、「薬価制度や診療報酬改定の改革は我々議連が中心になるのではなく、我々がお願いする若い人たち、薬粧連合の皆さんに考えていただきたい。新たな取組みということでお願いしているところ。この議連の一番の特徴は、薬粧連合の皆さん方をどうやって育てていくか」と説明。「連合でやっている前年度対比なんていうことではなく、薬粧連合の若い人が創薬力向上と企業の発展性を求め、それぞれが自分の勤めてる会社の良いところを伸ばすことによって、どんなことができるかという提案までしていただきながら、議連と一緒にやっていきましょうということ。この議連は、薬粧連合の皆さんが力を持って会社で発言を持てるような、そしてその結果で良い行政ができるような環境づくりに、この議連も一緒になって並走していく」と強調した。

◎国内製造拠点への投資支援や税制優遇、薬価、買取りなど、「入口から出口まで一貫した支援を」

薬粧連合は、「日本の強みである科学技術力と生産技術力を活かし、日本を支え、世界を牽引していく姿を実現する」必要性を強調。「特に、抗菌薬、血液製剤、ワクチン、麻薬(麻酔薬)など、国民の生命維持に不可欠な医薬品の国際化推進は喫緊の政策課題で、早急な対応が求められる」と指摘。特にワクチンの国産化はアジア諸国への技術協力や輸出など世界に貢献できるとした。一方で、「企業の採算が取れず、製造設備の老朽化対応さえ困難な状況が継続している」などと課題を指摘。国内製造拠点への投資支援や税制優遇、採算確保のための薬価加算、安定供給体制維持に必要な設備維持費補助と一定量の買取りなど、「入口から出口までの一貫した支援」を訴えた。このほか、日本の強みとして、先進的な多様なモダリティ、認知症、漢方についても言及した。

◎安定供給と創薬人材育成にフォーカスして議論

議連では、今後医薬品の安定供給と創薬人材育成にフォーカスして議論する方針。創薬人材育成をめぐっては、厚労・文科・経産の各省庁が取り組んでいる人材育成の統括・連携を図り、安定した人材輩出に必要な機能を拡充していくことを目指す。司令塔機能として、F-REI(福島国際研究教育機構)に県内の医科大学と連携した医薬品開発を学べる大学院を設置することも掲げる。

事務局長の松本尚衆院議員は記者団に「創薬や医薬品の安定供給については各省庁が問題意識を持って動いているが、横串で刺してやる場所というのは少ない。議連がそういうプラットフォームになれれば」と話した。「骨太方針2025に合わせてという意見は出なかった」として、現状提言などをまとめる予定がないと説明。ただ、改正薬機法に盛り込まれた後発医薬品製造基盤整備基金が26年度からスタートすることから、「そこに向けては何かをやらないといけないかもしれない。(財源確保に向けて)プロダクトをちゃんと見せてあげることが、我々の役目。そのために厚労省をサポートするのが、議連の役目ではないかと思っている」と述べた。

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