Meiji Seikaファルマは5月21日、オーストリアに本社のあるサンド社とペニシリン系抗菌薬の原薬中間体に関する設備投資および技術提携に関する契約を締結したと発表した。今回の契約を踏まえサンド社はペニシリン系抗菌薬の原薬中間体であるアンピシリン水和物の製造設備を新設。Meiji Seikaファルマはサンド社が海外に新設する製造設備の費用の一部を負担し、新設された設備で製造された原薬中間体を購入する。

抗菌性物質製剤の中でも注射剤の大半を占めるβラクタム系抗菌薬は、原材料の殆どを海外に依存している。一方で、経済安全保障上の観点からは、国内での製造および備蓄体制を一体的に整備する必要性が指摘されていた。

Meiji Seikaファルマは特定重要物資であるペニシリン系抗菌薬２剤について、現在は岐阜工場を活用し、ペニシリン系抗菌薬の原材料（母核）である6-アミノペニシラン酸の国内生産に向けた体制構築を進めている。また、６-アミノペニシラン酸以降の工程についても他社と協業し、海外からの供給途絶時においても医療現場において必要な量を切れ目なく安定供給できる国内生産体制の整備を2027年度中を目途に行っている。

今回のサンド社との契約締結を通じ、ペニシリン系抗菌薬の原薬中間体を確保できる体制を整備するほか、サンド社の原薬中間体の製造方法を獲得し、国内での生産体制を整備する方針だ。