大塚製薬 eMind・東北大学と共同研究 てんかん診療のサポートシステムの社会実装目指す
公開日時 2025/07/04 04:50
大塚製薬は7月3日、eMindと東北大学大学院医学系研究科の3社で、てんかん患者向けスマートフォンアプリ「eMind for Medcal Research」を用いた共同研究を開始したと発表した。てんかん患者のQOL向上に向け、研究成果を基にテクノロジーを活用したてんかん診療のサポートシステムの社会実装を目指す。
eMindと東北大学では、2022年10月に設置した「てんかんスマート医療共同研究講座(第I期)」で、デジタルデバイスから得られるデータを用いたAIによる予測技術をてんかん分野に応用し、てんかん患者の身体的・精神的・社会的側面の支援を目的として研究を実施。23年4月からは、東北大学病院のてんかん入院患者を対象に、入院精査期間中の各種生体信号・行動情報や心理社会的側面の評価データ、スマートフォンアプリによる日常生活におけるデータを、AI解析することで、てんかん発作の予知や心理状態の推論モデルを研究し、身体的・精神的・社会的アセスメントとその相関性に関する検証を行った。これらの研究活動を経て、24年5月にはてんかん発作予測モデルに関する特許を取得し、現在国際出願を行っている。
25年4月に始まった「てんかんスマート医療共同研究講座(第Ⅱ期)」からは大塚製薬が参画。第Ⅰ期の研究成果を踏まえつつ、大塚製薬のデジタルソリューション推進部門とも連携し、より社会実装を視野に入れた応用研究活動を実施。患者の体験価値向上を目指したシステムの継続的な開発・検証を進めていくという。共同研究講座の設置期間は28年3月まで。