中外製薬がセールスフォース・ジャパンの「Sales Cloud」など採用 AIソリューション導入も検討へ
公開日時 2025/07/16 04:52
セールスフォース・ジャパンは7月15日、中外製薬が同社のセールスクラウド、データクラウド、マーケティングクラウドを採用したと発表した。同社によると、中外製薬は今回の導入を契機に、より医療関係者にパーソナライズした柔軟な対応かつ高効率なアプローチが可能な環境構築を目指す方針。加えて、医師とのコミュニケーションをより高度化するためのAIソリューションである「Einstein」やAIエージェント機能を持つ「Agentforce」の導入も検討していることを明らかにした。
中外製薬は成長戦略「TOP I 2030」(2021年2月発表)において、Key Driversの一つにデジタルトランスフォーメーション(DX)を位置付けている。また、顧客への情報提供をはじめとするValue Delivery活動の改革に向けて、2018年に導入したSalesforceを機能強化し、リアル、リモート、デジタルで得たデータを統合する革新的な顧客エンゲージメントモデル構築による顧客価値最大化を掲げている。
◎「Einstein」(アインシュタイン)や「Agentforce」(エージェントフォース)の導入検討も
セールスフォース・ジャパンが同日発表したリリースによると、中外製薬は同社のAIソリューションである「Einstein」(アインシュタイン)や「Agentforce」(エージェントフォース)の導入を検討しており、医師とのコミュニケーションの高度化に活用したい考え。同社のAIソリューション「Einstein」とは、SalesforceのCRM(顧客関係管理)ツールに組み込まれている一連のAI機能で、予測分析や自然言語処理などの技術を活用して業務を効率的にサポートできる。中外製薬が導入した「Sales Cloud」にもEinstein は組み込まれており、売上予測だけでなく、CRMに蓄積したデータから高い精度で次のアプローチするべき対象を教えてくれる「予測AI」の機能も備える。
一方、「Agentforce」は、一歩先を見越してアクションを実行する自律型アプリケーション。専門的なサポートを顧客に常時提供するほか、指定された役割に合わせてタスクを実行することができる。2023年からは会話の音声データを分析して自動的に議事録とタスクを生成できるほか、顧客の履歴や興味・関心を踏まえたメールの自動作成など、「生成AI」機能も有している。
◎製薬企業・医療機器メーカー向け「Life Sciences Cloud」の機能拡充も予定
同社は24年7月に製薬企業や医療機器メーカー向けのプラットフォーム「Life Sciences Cloud」の国内提供を開始している。「今後も同製品の機能拡張を予定しており、中外製薬をはじめとする国内の製薬企業や医療機器メーカーの支援を強化していきたい」と強調した。