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Veeva Japan 開発中の「Veeva AI」にボイスコントロール機能搭載 MRの文書作成支援で生産性向上

公開日時 2025/05/28 04:50
Veeva Japanの内田洋亮バイス・プレジデント(CRMプロダクトマネジメント)は5月27日の事業戦略説明会で、開発中の「Veeva AI」にボイスコントロール機能を搭載する方針を明らかにした。医師と面談するMRやMSLの会話内容をリアルタイムに音声から文書化し、保存する機能を開発する。また、面談後に営業車内でMRが音声入力することで、MRが行う日報作成の時間を省力化できる。このほか、顧客や顧客を支援するパートナーとのデータ連携も可能とする。これによりマーケティング施策のタイムリーな検証や、データ解析結果に基づく戦略のアップデートを短期間で意思決定し、実行に移せるなど、MRを含むコマーシャル部門やメディカル部門の生産性向上が期待できる。

同社は5月7日付で、米国本社で「AI Agents」(AIエージェント)とAIショートカットの機能を搭載した現在開発中の「Veeva AI」が25年12月にサービス提供を開始すると発表した。この日の事業戦略説明会で内田氏は、同社が想定するVeeva AIのユースケースを説明した。

◎Veeva AI センシティブな入力情報をAIが検知して事前防止

Veeva AIには、同社のVault CRM上で、MRが医師との会話をCRMに声で記録する「ボイスコントロール」機能を搭載する。内田氏は、「MRなどが医師に会ってどんな話をして、どんなレスポンスがあったのかを音声で登録する。ただ、その中にはセンシティブな情報を含むこともある。こうした情報をAIが検知して事前防止する仕組みも導入する」と述べ、法令などに準拠した「コンプライアントフリーテキスト」をAI機能の一部として導入する方針であることを明かした。

◎「ダイレクトデータAPI」 15分単位でデータを外部のアプリケーションに提供

そのほか、Veeva AIの「ダイレクトデータAPI」の機能にも触れた。CRMデータの外部連携を目的としたもので、内田氏は、「業界内の他のAIベンダーやITベンダーを、データを通じて支援するもの」と指摘。「通常のAPI連携のスピードの100倍でデータ連携できる。15分単位でデータを外部のアプリケーションに提供できる」と強調し、「VeevaのAIに縛ることはしない。Veevaのデータを使って価値を提供できるベンダーが、さらにAIを使ってデータを作り提供する。それが業界のためになる」と述べ、AIパートナープログラムとして、顧客とそれを支援するパートナーを支援する体制で臨む考えを明らかにした。

◎千葉弘崇GM 2024年グローバル売上高が前年比16%増の27億米ドル

千葉弘崇ゼネラルマネージャーは、Veevaの2024年グローバル売上高が前年比16%増の27億米ドル(約4000億円)規模となったと報告。「業界特化型のクラウド企業として進化している」と強調した。すでに創業から18年、日本法人設立から14年を経て、「Veevaのソフトウェアプラットフォームはライフサイエンス業界におけるグローバルスタンダードとして定着してきた」と語った。その上で千葉氏は、「我々は顧客や社会と長く信頼を築いていくことを大事にする企業だ。決して短期的な成果を追い求めるだけでなく、5年、10年、20年と長い時間軸で価値を届け続けていくことをとても大事にしている」と強調した。

◎SFDCとのパートナーシップ 2030年9月までVeeva CRMは提供され続ける

一方でセールスフォース・ドットコム(SFDC)とVeevaのパートナーシップは、2030年9月までVeeva CRMが提供され続けることが決まっている。その一方で、セールスフォース側は25年9月以降、独自にビジネス展開することも明らかにしている。この件について内田氏は、「コメントを述べる立場にない」と述べるにとどめた。
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