大日本住友 抗がん剤・ナパブカシン 膵がんのフェーズ3を中止
公開日時 2019/07/03 03:51
大日本住友製薬は7月2日、開発中のナパブカシンについて、膵がんの効能効果取得を目指すフェーズ3の中止を決定したと発表した。同剤は同社の米国子会社のBoston Biomedisal,Inc.が創製。21年度上市を予定し、がん領域の成長ドライバーとして期待を寄せている。
同社によると、試験では、膵がんの患者を対象に第一選択薬として、ゲムシタビン・ナブパクリタキセルの併用療法と、ナパブカシンを加えた投与群を比較。その結果、主要評価項目である生存期間の延長を示すことは難しいと判断した。
試験の中止を受け、市場は失望感から大日本住友株の売りが膨らんだ。一時は前日比104円安の2024円まで売られたが、15時時点では前日比37円安の2091円となっている。
同剤をめぐり、同社では17年、胃または食道胃接合部腺がんを対象とした国際共同フェーズ3(BRIGHTER試験)の盲検を解除する勧告を受け入れ、承認申請を事実上断念している。なお、現在フェーズ3にある結腸直腸がんを対象とした開発は継続するとしている。