【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

FDA諮問委 オーファンの臨床薬理データ要求は柔軟対応を

公開日時 2011/04/11 04:00

米食品医薬品局(FDA)の薬学・臨床薬理学諮問委員会(ACPSCP)は、希少疾病薬開発促進のためには、抗がん剤などのデータの活用、市販後調査の強化、患者登録の義務化などにより、承認まえの臨床薬理学試験のデータ要求を緩和するよう勧告している。


同勧告によりFDAは希少疾病薬に関する臨床薬理学的要件についてのガイダンスを作成することになる。
ACPSCPは、希少疾病薬の臨床薬理データについては、小児用薬や抗がん剤の開発の枠組みを適切なモデルとして取り上げ、希少疾病薬の新規薬剤開発および既存薬剤の適応の「再目的化」(効能追加)を行う場合に、小児用薬、抗がん剤の臨床薬理データを活用することで、希少疾病薬の臨床薬理データを削減できると見ている。
FDAのLawrence Lesko臨床薬理学部長は、「何が希少疾病薬開発についての理想的な開発コンセプトにコンセンサスはないが、小児用薬や抗がん剤開発の分野での臨床薬理学や遺伝学などで学んだことは希少疾病薬に応用できる」と期待感を示している。


FDAは、既承認薬はすでに広範囲な臨床薬理学情報を持っているため、仮に抗がん剤のデータであるとしても、「再目的化」により、希少疾病薬のデータとして活用可能との考えだ。


しかし、ACPSCPの消費者代表Merrill Goozner氏は、抗がん剤モデルに過度に依存することに警告している。同氏は、最近の腫瘍薬諮問委員会(ODAC)が抗がん剤については、承認まえは単群の試験でなくRCT試験を実施、承認後は市販後試験を実施することをFDAに勧告した件を引用、ACPSCPの他のメンバーの注目を引いた。Goozner氏は、「がんの世界で行われていることは教訓的で、迅速承認により単群試験で承認を取得した薬剤はしばしば実際には有効でないことが分かっている」と指摘する。同氏は、抗がん剤は承認前後の広範囲なデータを要求するような動きになっており、希少疾病薬もその方向を目指すべきと提言する。


ACPSCPは、現在の希少疾病薬の開発計画と臨床薬理学研究は安全性情報を十分に提供しているとしているが、FDAに対して、希少疾病薬承認の条件として患者登録を求め、試験デザインや安全性評価の観点から患者団体の協力を求め、活用することを促した。現在、希少疾病薬の承認に関して患者登録が求められるが、義務化されていない。


 

(The Pink Sheet 3月21日号より)  FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから


 

プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(0)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
ボタン追加
【MixOnline】記事ログ
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー