【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

京都第二赤十字病院に見る医療ICTの取り組み  (2/2)

公開日時 2015/08/31 00:00
12

MRはどのようにマルチチャネルと付き合うべきか

マルチチャネル3.0研究所
主宰 佐藤 正晃

 

マルチチャネルとMRの関係を様々なところで製薬企業の方より質問をされる、「MRが使いやすいチャネルを提供してほしい」「ITを使いこなす為にMRになったわけではない」等基本は、MRとチャネルの関係性が明確ではないコメントが未だに聞く事に驚く。薬剤を売ることが目的なのかそれとも薬剤を適正に使用してもらう事が目的か、どちらかと質問すれほぼ100%後者と答えるであろう。総論賛成各論反対の議論する暇は現在の製薬会社のマーケティングモデル構築ではない。マルチチャネルの活用はMRの活用とは同レベルではない事はこれまで何度も言及している、情報入手の手段とツールはユーザが選ぶもので強制されるものではないが、適切にユーザニーズを把握してコミニュケーションスキルを活用して手段を提供する必要はある。

 

逆を言えばIT自体の進化にともなる活用ニーズの変化を知ることも必要である。総務省のデータによると年間の携帯電話出荷台数の7割がスマートフォンであるが、明確に活用目的をイメージに購入方も多い一方で世の中の流れだから使ってみようと思い使い始める方も多いと思う、その結果シーンの刷新は一目瞭然で「SNS」、「インターネットショッピング・オークション」、「チャット」、「ソーシャルゲーム」、「動画視聴」はフィーチャーフォンで利用率が2割を切る一方で、スマートフォン保有者では4~6割を超えた、スマートフォンで活用するコンテンツの中身はそのデバイスに左右されて変化してきている。また、タブレット活用に関しては電子書籍に関してフィーチャーフォン1.6%スマートフォン23.2%に対してタブレット端末での活用は42.2%という調査結果が出ている。大手製薬のMRは殆どがタブレット端末を利用しているのだからこの比率自体は納得感を感じると思うが、これを単なる行動変化の統計ととらえるかビジネスチャンスと取るかは営業センスが問われる所である。MR、医師、薬剤師等の医療従事者の環境は変わっているだから情報発信のスタイルやその中身は変えなければならないし、会話する内容は製品名ではなく担当医師が気になるであろう内容を用いる。結局、医療産業でどのようなパラダイムシフトが起ころうとしているのか的確につかまなくてはならないのは情報発信のスタイルのベースとなる。製品のプロモ―ション資材を説明する事だけでは医師の興味を引くことはもはやできない、このことはおそらく現場に出ているMR・マーケティング部門の読者ならば気づいていると思う、勿論簡単なことは型にはまった営業活動する事であるが、日々の営業成果という見えないプレッシャーに打ち勝つことはできない。テレビラジオといった一方通行のメディアから、インターネットを活用した双方向のメディアになり、パブリックプライベートにおいて全方位的から発信される情報に囲まれている時代は情報の取捨選択をすることが求められる。

 

地域包括ケア―の推進体制において医療業界ではこれから何が起るか、製薬企業はその中でどのような形で活動するべきかを学ぶ機会を多く作る必要がある。MRの役割はもちろん変化しているのではあるが、その人数自体も毎年減少を続けている、数をベースに売上拡大目的でプロモーションする時代は昔の話しである、近年ではブロックバスターと言われている大型新薬でさえ上市後すぐにシェアを広げるのは難しい時代である。どこにアンテナをはるべきかを学会、勉強会、新薬説明会等タッチポイントを増やす事自体はもう重要ではない、大切なのはタッチポイントの際にどのような話をするかが重要だ。そして、これまで製薬企業がアクセスしてこなかった地域医師会薬剤師会、介護職、自治体職員といた、その担当地域の医療を守る方々との連携が必要だ。

12
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(1)

1 2 3 4 5
悪い   良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー