両社の間で進めてきた経営統合を見送ると、３日発表した。両社で実務レベル協議を続けてきたが、それぞれが持つ特質と優位性を最大限に発揮して株主価値の向上を図ることが難しい、との結論に至った。　大正と田辺は今年９月17日、医療用医薬品事業とセルフメディケーション事業のグローバル・カンパニーを目指し、「共同株式移転に関する覚書」を締結。2002年４月に「大正田辺ファルマグループ」を設立し、同年10月をめどに大正製薬の医療用医薬品事業を田辺製薬に、田辺製薬の一般用医薬品事業を大正製薬にそれぞれ統合し、事業別100％子会社に再編することになっていた。　しかし、準備委員会で具体的な作業に入って以降、経営統合による相互補完的なメリットと規模の利益は存在するものの、事業再編方針や人事・組織体制などの基本的なインフラの相違が顕在化、統合を解消することになったという。