12日、医学生物学研究所（MBL)はオンコセラピー・サイエンス（OTS)と、ヒト癌遺伝子や癌抗原などを活用した診断薬と研究試薬開発で包括的な独占契約を締結した。OTSは、東京大学医科学研究所・ヒトゲノム解析センター・ゲノムシークエンス解析分野（中村祐輔教授、中村研究室）の研究成果活用型ベンチャー。OTS社が中村研究室と共同で行う癌標的分子プロジェクトは、肺癌、胃のスキルス癌、膵臓癌などほとんどすべての癌を対象に、今後数年間継続する計画。MBLは、研究成果をもとに、抗体、核酸検出試薬、免疫学的検査薬を開発する予定。　中村教授は、癌マーカーによる予防医学は癌の早期発見を可能にし、経済効果も期待できると語り、分子標的治療薬はオーダーメード医療にもつながるとして、開発への意欲を見せた。癌診断薬市場は現在、国内350億円、海外800億円。MBLは、癌種ごとに新規癌検査薬を市場に投入することで、10年後にシェア20％をめざす。