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大塚HD・井上社長 26年度通期予想を2兆7250億円に上方修正 VOYXACT立ち上がり好調で

公開日時 2026/08/03 04:52
大塚ホールディングス(HD)の井上眞代表取締役社長兼CEOは7月31日の2026年度第2四半期決算説明会で、通期業績予想を売上収益、事業利益ともに上方修正すると報告した。売上収益を期初計画の2兆5200億円から2兆7250億円に、事業利益を3550億円から4700億円にそれぞれ引き上げた。レキサルティ、ロンサーフなどのグローバル製品の好調に加え、ロイヤリティ収入の増加などが業績を押し上げた。特に、成長ドライバーと位置付けるAPRIL阻害薬・VOYXACTについては上市した米国での浸透が想定以上だったと評価し、「成長戦略を支える収益基盤がこれまで以上に強固になっている」と自信をみせた。

同社の26年度第2四半期決算は、売上収益が前年同期比12.8%増の1兆3323億9000万円、事業利益は17.3%増の2805億7900万円と、2桁の増収増益となった。

◎VOYXACT 26年の売上600億円に引上げ ジンアークの経験を強みに

「既存事業の安定成長と次世代成長ドライバーの立ち上がりが同時に進む段階に入った。事業の進展と将来のキャッシュ創出力の向上を背景に、精神・神経領域、自己免疫領域などのコア領域への成長投資を一層強化していく」――。井上社長CEOは同社の医薬品事業において、持続的な成長サイクルを推進していく姿勢を鮮明にした。

特に、IgA腎症治療薬として米国で25年11月に承認されたVOYXACTは、26年の売上計画を250億円から600億円に引上げた。ファーストインクラスの抗APRIL抗体として新規処方が順調に拡大したほか、既存薬からの切り替えも進み、想定を上回る立ち上がりとなった。また、「ジンアークで培った腎領域での開発販売力を強みに、腎専門医との強固なネットワークや腎領域に精通したMRを活用できる」ことも、順調な市場浸透を図るうえでの強みだという。

また、2年間のeGFR(推算糸球体濾過量)を評価したフェーズ3試験のトップラインデータでは、eGFR年間変化率とベースラインからの平均変化のいずれでもプラセボ群を上回り2年間にわたる腎機能の改善と安定化を確認した。これを踏まえ、当初目標を1年前倒し、27年に売り上げ1000億円以上を目指すとの計画を示した。

今後はシェーグレン症候群や膜性腎症、FSGS(巣状分節性糸球体硬化症)などの追加適応症への開発を推進する。井上社長CEOは、「今後もジンアークで培ったアセットやファーストインクラスの強みを最大限生かし、スペシャリティ自己免疫のトッププレイヤーを目指して活動を推進していく」と意欲をみせた。

◎SIMTRIYO承認取得で「次世代成長ドライバーの育成が新たな段階に」

精神・神経領域では、ファーストインクラスのNDSRIであるSIMTRIYOが7月に注意欠如・多動症(ADHD)治療薬として米国で販売承認を取得した。井上社長CEOは、「この承認により、精神神経領域における次世代成長ドライバーの育成が新たな段階に入った」と説明。今後は米国麻薬取締局(DEA)による規制区分指定手続きを経て、26年中に発売する予定で、「患者さんに対する臨床的効果だけでなく、ご家族の負担軽減にもつながる包括的なアプローチを提供していく」と述べた。

◎30年前後LOE想定も「乗り越える道筋は明確に」

一方で、井上社長CEOは、「30年前後に想定されるLOE影響は重要な経営課題だ」と指摘。主力製品であるレキサルティは28年以降に特許切れを控えるが、「VOYXACTやSIMTRIYOをはじめとする次世代成長ドライバーの着実な育成とパイプラインの拡充により、課題を乗り越えるための道筋は明確になりつつある」と強調。「35年に連結売上収益3.5兆円の実現と持続的な企業価値向上を目指していきたい」と語った。

【連結業績(前年同期比) 26年予想】
売上高 1兆3323億9000万円(12.8%増) 2兆7250億円(10.4%増)←修正前2兆5200億円
営業利益  2805億7900万円(17.3%増) 4700億円(5.4%増)←修正前3550億円
親会社帰属の純利益 2156億1200万円(24.3%増) 3550億円(2.2%減)←修正前2650億円(27.0%減)

【グローバル製品売上(前年同期実績) 26年予想、億円】
レキサルティ 1931(1548)3900
ロンサーフ 568(497)1220
エビリファイメンテナ 1228(1093)2435
エビリファイアシムトファイ 267(162)540
サムスカ 166(169)295
ジンアーク 732(1189)1045
*サムスカに日本のADPKD適応の売上含む。

【主要製品の国内売上(前年同期実績) 26年予想、億円】
レキサルティ 165(137)350
ロンサーフ 41(39)80
エビリファイメンテナ 69(64)140
サムスカ 83(95)130
ニューデクスタ 144(146)190※
ニュープロ・パッチ 25(30)50
エビリファイ 7(11)10
INQOVI/INAQOVI 136(91)290
アブラキサン 135(169)260
アイクルシグ 44(40)100
ティーエスワン 49(64)95
リトゴビ / LYTGOB 56 (41) 115
トルバプタン「オーツカ」(サムスカAG) 41(48)95 
プレタール 1(1)2
ムコスタ 15(13)30
レバミピド「オーツカ」(ムコスタAG) 48(48)95
ビラノア 74(87)90
ミケルナ 41(37)85
モイゼルト 122(89)255
臨床栄養 564(540)1215
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