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新薬等6製品承認へ 武田薬品のナルコレプシータイプ1治療薬・オーゼイフル錠など 第一部会が了承

公開日時 2026/08/04 04:50
厚生労働省の薬事審議会・医薬品第一部会は8月3日、武田薬品のナルコレプシータイプ1(NT1)治療薬・オーゼイフル錠(一般名:オベポレクストン)など新薬5製品の承認の可否を審議し、承認を了承した。NT1の病因は脳内オレキシンの欠乏と考えられており、オーゼイフルは病態機序に直接作用するファーストインクラスの選択的オレキシン2受容体作動薬となる。1日2回経口投与する。オーゼイフルは既存薬に比べて有効性の大幅な改善が見込まれることなどから、先駆的医薬品に指定されている。

このほか、審議され承認が了承された中には、リズムファーマの脳の視床下部の損傷に起因する肥満(後天性視床下部性肥満)に用いるメラノコルチン-4受容体作動薬・イムシブリー皮下注(セトメラノチド酢酸塩)や、ヤンセンファーマの抗IL-12/23p40抗体・ステラーラのクローン病の小児用量追加などがある。

報告品目は1製品。A型ボツリヌス毒素製剤・ボトックスビスタの咬筋膨隆(こうきんぼうりゅう)の効能追加が了承された。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

ブフェニール錠500mg、同顆粒94%(フェニル酪酸ナトリウム、オーファンパシフィック):「進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型及び2型」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

フェニル酢酸のプロドラッグ。2012年9月に尿素サイクル異常症(UCD)の適応で承認されており、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)はそれに続く。

用法・用量は「通常、成人及び体重20kg以上の小児には1日あたり9.75g/m2(体表面積)を3回に分割し、食前に経口投与する。投与開始4週後、1日あたり13.0g/m2に増量する。患者の状態により1日あたり13.0g/m2は9.75g/m2に、1日あたり9.75g/m2は6.5g/m2に減量する。体重20kg未満の乳幼児及び小児には1日あたり450mg/kgを3回に分割し、食前に経口投与する。投与開始4週後、1日あたり600mg/kgに増量する。患者の状態により1日あたり600mg/kgは450mg/kgに、1日あたり450mg/kgは300mg/kgに減量する」。

PFICは、常染色体潜性遺伝形式の肝内胆汁うっ滞症であり、胆汁うっ滞により、強い掻痒感や、それに伴う睡眠障害、QOLの低下を呈し、肝不全に進行する。国内では、「PFICに伴うそう痒」の適応で、回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害薬・リブマーリ内用液が25年3月に、IBAT阻害薬・ビルベイ顆粒が25年9月に承認されている。

海外でブフェニールは、26年4月現在、UCDに係る効能・効果で欧米を含む4つの国又は地域で承認されているが、PFICに係る効能・効果で承認されている国又は地域はない。

▽①ステラーラ点滴静注130mg、②同皮下注45mgシリンジ、③同皮下注45mgバイアル(ウステキヌマブ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ):「①中等症から重症の活動期クローン病の導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品、「②③中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量・剤形追加に係る医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

抗IL-12/23p40抗体。現在、クローン病(CD)の導入療法及び維持療法について、成人の用法・用量が設定されており、今回、小児用量を追加するもので、2歳以上の用量が設定されている。皮下注45mgバイアルは剤形追加。

小児CDは、診断時の病変範囲が成人より広範かつ重症で、肛門病変も合併することがあり、小児期特有の成長障害や心理社会的側面への配慮が必要とされている。現在、既存治療で効果不十分な中等症から重症の小児CDに関しては、抗TNFα抗体・インフリキシマブが用いられているが、二次無効となる場合もあり、成人に比べ治療選択肢が限られていることから、異なる作用機序を持った新たな治療選択肢が必要とされている。

海外でステラーラは、26年4月現在、欧米を含む80以上の国又は地域で承認されており、CDに係る2歳以上の小児に対する用法・用量は、米国及び欧州で承認されている。

エムパベリ皮下注1080mg(ペグセタコプラン、Swedish Orphan Biovitrum Japan):「C3腎症、一次性免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

補体(C3)阻害剤。23年3月に発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の適応で承認されており、C3腎症及び一次性免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎(IC-MPGN)はそれに続く。

用法・用量は「通常、18歳以上の患者には1回1080mgを週2回皮下投与する。通常、12歳以上18歳未満の患者には体重に基づいて投与量を週2回皮下投与する」。

C3腎症は、後天性自己免疫抗体又は遺伝的変異により、補体第二経路の制御異常及び過剰活性化が生じ、補体第3成分(C3)などの補体蛋白が腎臓の糸球体に蓄積することで惹起される慢性糸球体腎炎。C3腎症及び一次性IC-MPGNは関連する疾患で、血尿、蛋白尿、ネフローゼ症候群などが生じる。国内では、補体B因子阻害剤・ファビハルタカプセルがC3腎症の適応を持っている。国内で一次性IC-MPGNの適応を持つ医薬品はなく、エムパベリが初となる。

海外でエムパベリは、21年5月にPNHに係る効能・効果で米国において初めて承認されて以降、26年4月時点で、欧米を含む16の国又は地域で承認されている。C3腎症及び一次性IC-MPGNに係る効能・効果では、25年7月に米国で承認されて以降、26年4月現在、欧米を含む10の国又は地域で承認されている。

イムシブリー皮下注10mg(セトメラノチド酢酸塩、リズムファーマ):「後天性視床下部性肥満」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

メラノコルチン-4受容体作動薬。後天性視床下部性肥満(後天性HO)は、視床下部の損傷後に著しい体重増加を来す難治性の肥満を呈し、2型糖尿病やメタボリックシンドローム、アテローム硬化性心疾患を合併する。後天性HOの原因は、視床下部性腫瘍及びその治療であり、国内患者数は、約5000人~1万2000人と推計されている。

用法・用量は「通常、成人及び4歳以上の小児には、1日1回、0.5mgから皮下投与を開始する。1週間毎に年齢及び体重に応じて0.5mg又は1.0mgずつ、年齢及び体重に応じた1回用量まで漸増する。なお、患者の状態に応じて、年齢及び体重に応じた1回用量を超えない範囲で適宜増減する」。

一般的な肥満症の治療薬としてウゴービやゼップバウンドなどがあるが、イムシブリーは後天性HOの適応を持つ国内初の治療薬となる。

海外でイムシブリーは、後天性HOに係る効能・効果で26年3月に米国で、同年4月に欧州で承認されている。また、特定の希少な遺伝性肥満に係る効能・効果で米国及び欧州を含む8つの国又は地域において承認されている。

オーゼイフル錠0.5mg、同錠1mg、同錠2mg(オベポレクストン、武田薬品):「ナルコレプシータイプ1」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。先駆的医薬品。再審査期間は10年。

ファーストインクラスの選択的オレキシン2受容体作動薬。ナルコレプシータイプ1(NT1)の原因は、脳内オレキシンの欠乏であり、オーゼイフルはオレキシン欠乏に対処するよう設計されている。

用法・用量は「通常、成人には1mgを1日2回経口投与する。起床時に1回目の投与を行い、3時間から5時間後に2回目の投与を行う。なお、忍容性に問題がなく、十分な効果が認められない場合に限り、2mgを1日2回に増量することができる」。

NT1は、日中の過度の眠気及び情動脱力発作(カタプレキシー)を中核症状とする重篤な睡眠障害。失職や交通事故のリスクがあるなど、日常生活のみならず、社会活動に与える影響は大きく、生活の質を著しく低下させる。国内患者数は2.4~3.6万人程度と推定されている。

ナルコレプシーの日中の過度の眠気に対してはモディオダール錠やリタリン錠、ベタナミン錠、カタプレキシーに対してはアナフラニール錠が用いられるが、いずれも個々の症状に対する対症療法であるのに対し、オーゼイフルは病態機序に直接作用する。

承認申請資料の国際共同第3相FirstLight試験及びRadiantLight試験結果では、日中の過度の眠気やカタプレキシーを含むすべての主要評価項目および副次評価項目においてプラセボと比較して統計学的に有意な改善が示された。

海外でオーゼイフルは26年7月に中国で承認されている。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

▽①ボトックスビスタ注用100単位、②同注用50単位(A型ボツリヌス毒素、アッヴィ):「①65歳未満の成人における咬筋膨隆」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品、「②65歳未満の成人における咬筋膨隆」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を阻害することにより筋弛緩作用を示す神経毒素。「65歳未満の成人における眉間又は目尻の表情皺」の適応を持っており、それに続く。注用100単位は剤形追加で、効能・効果は咬筋膨隆(こうきんぼうりゅう)のみ。

海外では、咬筋膨隆に関する効能・効果は、26年5月現在、5つの国又は地域で承認されている。
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