医薬品産業懇 ビジョン進捗で第1回ヒアリング
公開日時 2003/06/25 23:00
厚生労働省が「医薬品産業ビジョン・国際競争力強化のためのアクションプラ
ン」に関しこのほどまとめた進捗状況について、関係者からヒアリングする
「医薬品産業政策の推進に係る懇談会」の第1回会合が6月25日にあり、製薬
業界や薬剤師、臨床の立場から5人が意見を述べた。このうち、キリンビール
医薬カンパニーの浅野克彦社長は、非専業メーカーでつくるPIフォーラム(医
薬品産業情報研究会)会長の立場で、「参加することでメリットが享受できる
ような治験環境の改革」「再生医療など新しい概念の医薬品に対する価値に見
合った薬価算定」などを求めた。
浅野社長は治験について、「患者数の少ない疾患は治験募集が難しく、医師か
ら誘ってもらうのに頼っている状況。治験に参加することで、たとえば高度先
進医療が優先的に受けられる、などの制度を考えなければならない」とした。
薬価算定については、「新しい概念の治療法や医薬品は、何かの比較や原価計
算でなく、医療へのインパクトや患者に対する価値の大きさで議論して評価し
てほしい」と述べた。治験については順天堂大学医学部の伊藤澄信臨床薬理学
教授も主張。とくに、治験責任医師へのインセンティブの必要性を訴えた。
また、日本大衆薬工業協会の上原明副会長(大正製薬社長)は、生活習慣病と
いった新規薬効群の承認基準検討、予防を観点に置いた効能範囲見直し、高齢
者向けのゼリーといった剤形拡大――などの業界の動きがあることを説明。医
薬品産業労働組合連盟の森戸要会長(武田薬品労働組合顧問)は、「業界は優
勝劣敗の動きが進行しており、『製薬先進国』としての施策が必要」と訴えた。
一方、日本薬剤師会の漆畑稔常務理事は、医薬品に関する情報不足を指摘。
「新薬メーカーと後発品メーカーが互いに理解していないのは、我々にとって
も患者にとっても不安材料」と投げかけた。また、「ドクター向けの情報は常
に患者向け情報でもあるべき」として、添付文書などの一般向けの情報提供整
備も求めた。
2回目は7月2日、永山治日本製薬工業協会会長、藤山朗日本製薬団体連合会
会長、松谷高顕日本医薬品卸業連合会会長らから意見聴取する。3回目は同10
日開催。結果は来年度予算要求に反映させる。