池上慶大教授 「混合診療」拡大は困難
公開日時 2003/08/25 23:00
慶応義塾大学医学部の池上直己教授は8月23日の朝日医療経済セミナー(東和
薬品、東京都医師会など主催)で「医療をとりまく現況と今後の見通し」と題
して講演。いわゆる「混合診療」について、自由診療は有効性の検証が困難で、
そのため保険適用されなくても厚生労働大臣の責任が追求されないなどとして、
「拡大は構造的に困難」と述べた。
また、診療報酬の包括払い制度について、(1)レセプト審査は不可能でカル
テによる監査しかできない(2)早期退院のための受け皿整備が不十分――で
あることなどから、「急性期の診療で(特定機能病院など以外の)中小病院に
5年以内に広がる可能性は少ない」とした。その一方で、「亜急性期、療養期」
については、医療ニーズが安定していることや、そのため診療内容の審査、監
査が比較的容易なことからも、「広がる可能性が大きい」と見通した。