エーザイ・内藤社長 いたずらに規模追求に走らない
公開日時 2004/02/26 23:00
エーザイの内藤晴夫社長は2月26日の記者懇談会で、米国市場での医療費削減
圧力の高まりやFDAによる新薬承認の減少傾向、欧州市場での医療費抑制策な
ど世界の各市場のトレンドを俯瞰した場合、「(M&Aなどによる)規模の不経
済が想定される」と述べ、規模の追求だけを是とする議論に水を差した。現在
980人前後の国内MR数について05年度に1200人体制に増強する方針を示し、「
久しぶりにMRの本格的増強に取り組む」と述べたが、それより多いMR数を持つ
企業が数多く出現することに対して「大量のMRを擁し営業活動を行うのは北米
で創出されたモデルであり、日本で通用するかどうか答えは出ていない」と指
摘した。
同社はアルツハイマー型痴呆治療剤アリセプト、PPIパリエット/アシフェッ
クスの申請以後、新規化合物の端境期にあり、研究開発の生産性の低下が指摘
されているが、現状のパイプラインはフェーズ3が1品目、フェーズ2が7品
目、フェーズ1が7品目と「後期パイプラインの充実が急務」(内藤社長)。
内藤社長は、04年度中にE2007(AMPA受容体拮抗剤)、E7070(抗がん剤)、E7
389(抗がん剤)、E5564(エンドトキシン拮抗剤)の4テーマの「プルーフ・
オブ・コンセプト」が完了し、パイプラインのフェーズ3の足りない部分を補
っていけると説明した。