杏林 ガチフロキサシン導出先の独社が欧州での販売や承認申請中止
公開日時 2004/02/29 23:00
杏林製薬は2月27日、ニューキノロン系合成抗菌剤ガチフロキサシンについて、
導出先の独グリュネンタール社が商業的な理由でドイツでの販売、また欧州で
の承認申請などを中止すると発表した。杏林製薬の04年3月期業績への影響は
軽微と予想している。
杏林製薬は95年にグ社とガチフロキサシンに関するライセンス契約を結び、欧
州、中近東、南米の一部での開発権、製造販売権を供与していた。グ社による
売上高(現地売りベース)は01年が100万ユーロ、02年が400万ユーロ、03年が
100万ユーロと売上が伸びず、当初期待した利益を確保できなかった。杏林製
薬では、欧州でニューキノロン剤の市場性が小さいことや、トップシェアのバ
イエルのシプロキサンの牙城が固かったことが理由として考えられるとしてい
る。また、ドイツでも糖尿病患者への投与が禁忌となっていることがマーケテ
ィング面で多少ハンディになったと見ている。
欧州ではドイツで販売済みのほか、フィンランド、オランダ、ポルトガル、ア
イスランドの4ヵ国で承認取得、オーストリア、ルクセンブルク、イタリア、
スペインの4ヵ国で承認申請中だが、全て取り下げる。米国への影響はないと
している。「米国ではブリストル・マイヤーズスクイブが販売しているが、今
回は製剤に問題があったとか、新たな副作用が出たとかではなく、グ社の商業
的な理由であるため、欧州の件とは無関係」と話している。