中医協・全員懇 汚職委員推薦団体から聴取
公開日時 2004/06/09 23:00
汚職事件で現職や元委員らが逮捕され3ヵ月近くにわたって開催されなかった
中医協は6月9日、全員懇談会を開き、逮捕者を出した推薦団体代表を呼んで
事情を聴いた。冒頭、星野進保会長が、「中医協を舞台にした贈収賄は青天の
霹靂。発生の原因は個人か団体か、中医協が制度疲労を起こしているのか。中
医協の場で議論してほしい」と開会の意義を説明した。
昨年10月まで支払い側委員を務めた下村健被告(元社会保険庁長官)を推薦し
ていた健康保険組合連合会の千葉一男会長は、「(事件は)元副会長に対する
個人的な容疑だが、推薦団体として厳粛に受け止めている。(下村被告の)知
識や経験、判断力に頼り、1人に役割を任せ過ぎていた」と陳謝した。
同じく支払い側に役員を送り込んでいた連合の笹森清会長は、「労働者を代表
する立場にあってはならない容疑で遺憾。被保険者の負担を軽くしようという
連合の主張も踏みにじられた」と述べた。会長(当時)や診療側委員の役員が
逮捕された日本歯科医師会の井堂孝純会長は、「(問題となった)かかりつけ
歯科医機能評価の進展は間違いでなかったが、実現のための手段で反社会的な
違法行為があり残念」とした。
全員懇は、「国民の不信感があり、透明性が必要」(星野会長)として、異例
のテレビカメラによる撮影取材を終了まで許可。今後、さらに3団体が改善策
を持ち寄り、対応策を協議する。