MR意識調査 「自社品以外で売ってみたい製品」は抗悪性腫瘍薬がトップ 理由は「患者貢献したい」
公開日時 2026/03/02 04:54
ミクス編集部が現役MRに「自社品以外で売ってみたい製品」を聞いたところ、キイトルーダやオプジーボなど抗悪性腫瘍薬が上位にランクされた。製品特性や市場規模に加えて、「患者への医療貢献」を理由にあげるMRが目立った。次いで希少疾患領域に登場したバイオ系の革新的新薬や、肥満症を含む2型糖尿病薬であるGLP-1受容体作動薬に注目が集まった。一方、売ってみたい製品が担当製品の競合品か否かを聞いたところ、回答したMRの7割が「自社競合品以外」を選択した。ミクス編集部は、MR自身が自社を問わず製薬各社が手掛けるバイオ医薬品の開発動向や市場動向に興味・関心を示していることを確認した。
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ミクス編集部は現役MRを対象とした「MR意識調査2026年版」を公表した。現役MRとその上長(チームリーダー、営業係長・営業課長・営業所長)を対象に、ミクスOnlineを通じて調査を実施した。調査期間は2026年2月3~10日。有効回答は92人。
MR意識調査恒例の「自社製品以外で売ってみたい製品」を聞いたところ、回答者の31.5%が「ある」と答えた。年代別にみると、30代が35.3%、40代が39.5%と比較的高く、役職別では“中堅層”の「チームリーダー」が47.1%と最も高く、MRや営業管理職に比べて相対的に高いことが分かった。
売ってみたい製品については、現在担当している製品の「競合品」との回答が31.0%、「競合品ではない製品」は69.0%だった。売ってみたい製品を領域別にみると、トップは「がん領域」(11製品)で全体の38%、次いで「希少疾患領域」(4製品)で14%、「糖尿病・代謝・内分泌疾患(肥満症を含む)」、「心血管疾患」、「炎症・自己免疫疾患」がいずれも3製品ずつで全体の10%だった。
◎がん領域「評価実感したい」 売上上位の製品に注目集まる
がん領域のうち、製品別ではがん免疫療法薬の抗PD-1抗体・キイトルーダが最も多かった。国内・グローバル問わず売上ランキング上位になる製品だけに、「日本一売れている薬剤を医師はどう評価しているのか肌で実感してみたい」との声が寄せられた。同じくがん免疫療法薬であるオプジーボは多くのがん種を適応とする点が評価され、「医師からもその魅力について教えていただいたため大変興味がある」と注目された。画期的新薬が次々に登場する領域であると同時に、安全性・有効性に加えて、患者個々に応じた情報を医師など医療者と共有するMRの存在意義を発揮できる魅力なども高い関心を示す背景と言えそうだ。
◎希少疾患治療薬に好評価 高い専門性で患者貢献に直結
がん領域に次いで人気を集めたのは希少疾患領域だった。トランスサイレチン型心アミロイドーシスなどを適応症とするRNAi治療薬・アムヴトラを推すMRは「mRNAを、そのパイオニア企業で扱ってみたい」とコメント。血友病治療薬・ヘムライブラに対しては「画期的新薬で患者のQOL向上に貢献している」と評価の声が寄せられた。いずれも専門性が高く、QOL向上など患者貢献に直結する点がMRとしてのやりがいに直結すると映るようだ。また、補体(C5)モノクローナル抗体製剤・ユルトミリスに対しては、競合品を扱うMRから「有効性は申し分ないがそこまで売り上げを伸ばしていない。理由は安全性の担保であり、その対策を周知徹底することで1stチョイスを確立できる」と強気なコメントも見られた。
肥満症を含む糖尿病・代謝・内分泌疾患の領域では、GIP/GLP-1受容体作動薬・マンジャロにも関心が集まった。回答したMRからは、「話題の薬剤」、「ポテンシャルの高い肥満症治療薬」との声があったが、マンジャロの適応症は2型糖尿病。同じ成分(チルゼパチド)でゼップバウンドが肥満症治療薬として承認されている。
◎「多領域の先生と関われそう」 幅広い適応持つ製品に関心
炎症・自己免疫疾患領域では、JAK阻害薬・リンヴォック、抗IL-4/13受容体抗体デュピクセント、IL-23阻害薬・スキリージにそれぞれ票が入った。アトピー性皮膚炎に対する初めての抗体薬として18年に上市され、気管支喘息や慢性副鼻腔炎などの適応もあるデュピクセントに対しては、「適応がどんどん広がり、本当の意味での患者貢献ができ、多領域の先生と関われそう」と羨望のまなざしが向けられた。