厚生労働省は６月30日のインフルエンザワクチン需要検討会で、ワクチンの不
足や地域偏在に対応するため、融通用として100万本を業者に保管させる方針
を示した。また、医療機関の抱え込みを防ぐために、シーズンが終わって多量
にワクチンを返品した医療機関については、施設名を公表するなどの強い姿勢
を検討していることも明らかにした。前年の使用実績を３割以上上回る注文は、
「過剰」と位置付けた。

ワクチンの返品については、委員の平田政実・細菌製剤協会PR委員会委員長
（第一製薬医学学術部主幹）が、（１）有効期限が１年の季節商品で次シーズ
ンに使用できない（２）環境要因に影響され生産量と需要量に乖離（かいり）
が生じる――と、回避が困難な状況を説明。篠原恒夫・日本医薬品卸業連合会
医療用医薬品流通委員会委員（福神執行役員病院調剤薬局部長）は、「医療機
関から使用実績以上の注文を受けた場合、卸業者は拒否する根拠がない」とし
て、行政や医療団体から現場医療機関への指導を求めた。