アストラゼネカ イレッサ調査、肺障害副作用193人、うち死亡75人
公開日時 2004/08/25 23:00
アストラゼネカ日本法人は8月25日、医薬品GPMSPに基づき実施した肺がん治
療剤イレッサの特別調査の結果を発表した。それによると、急性肺障害・間質
性肺炎の副作用の発現率は5.81%(193人:評価不能5人、画像情報未入手75
人を含む)と非常に高いことがわかった。同副作用による死亡は75人にのぼっ
た。同社は厚生労働省と添付文書改訂を協議中。
同調査は急性肺障害・間質性肺炎の副作用の発現率および危険因子を明らかに
することを目的に全国615施設(722診療科)で03年6月~04年3月(登録は03
年12月まで)に実施された。安全性評価症例は3322人で、観察期間は8週間。
発現因子については、既存の調査で挙がっていたPS(パフォーマンスステータ
ス:全身状態)2以上、喫煙歴、イレッサ投与時に間質性肺疾患を合併してい
る症例に加え、化学療法歴を有する症例が明らかになった。
現在、間質性肺炎リスクが上昇する遺伝子構成を同定するため遺伝子的検討を
東大医科学研究所と実施中。開始後1年で約100人の血液サンプルからDNAを抽
出、関連する可能性が高い100以下のSNP(一塩基多形)まで絞り込んでおり、
さらに絞り込みを進める。また、発症機序解明の手がかりを得るため、イレッ
サ非投与例も含めたコホート(治療の対象集団)内ケースコントロールスタデ
ィを実施中。