厚生労働省は10月27日までに、医療法人が債券を発行する場合に順守すべきル
ールや留意点について、「『医療機関債』発行のガイドライン」として公表し
た。（１）過去３年度以上税引前純損益が黒字など経営成績が堅実（２）負債
総額が100億円以上、１回当たり発行総額が１億円以上、購入人数が50人以上
の場合には公認会計士または監査法人による監査を受ける――などを条件付け
た。利率の計算方法なども示した。

医療機関債について厚労省の検討会は03年３月、「株式とは異なり経営内容へ
の介入が原則生じないことから現在でも禁止されていないが、こうした点が必
ずしも明らかにされていないこともあって発行の事例は限られている」とした
上で、「医療機関の資金調達手段の多様化を図り、銀行との交渉力の向上とい
ったメリットにつなげる方策として積極的な利用が期待される」と提言してい
る。