LTTバイオファーマは５月25日、06年３月期通期決算を発表した。水島裕会長
は26日に開いた決算説明会で、三菱ウェルファーマが重症虚血肢治療剤AS-013
の共同開発から離脱した理由について「当社の強い要望で降りてもらった」と
説明、三菱ウェルが見切りをつけたわけではないことを強調した。

三菱ウェルと共同で行った米国でのフェーズ３では、血行再建術を施行した重
症下肢虚血患者に対する二重盲検比較試験で、プライマリーエンドポイントと
して投与開始後６ヵ月以内の下肢大切断または死亡率の低減を見たところ、プ
ラセボ群に比べて、有意差が出なかった。水島会長は「残念ながら期待ほどの
結果が出なかった。当社が賛成できないプロトコールで押し切られてしまった
面もある」と語った。

当面は自社単独で開発を進めることになるが、「今年度中に東欧でフェーズ２
bを開始する。臨床試験のレベルが高く、治験費用も安いため、２億円以内で
抑えたい。至適用量および適切な疾患群を定める小試験を行った後、ライセン
スを行う計画だ」と説明した。ライセンス先との共同開発を含め米国または欧
州でのピボタル試験（最終試験）の実施を考えているという。海外では2010年
の上市を目指す。一方、海外で先行して開発中の潰瘍性大腸炎治療薬PC-SODは
09年の上市を見込んでいるとした。

●〔連結業績（前期比）06年度予想〕
売上高　　５億9000万円（―）15億9300万円
営業損益　△６億4300万円（―）
経常損益　△２億8700万円（―）△２億5100万円
純損益　　△２億9800万円（―）△２億5100万円