熊本地震 熊本県内の医療機関44施設で被害 製薬企業や卸で一部被害も「供給への支障はなし」
公開日時 2026/07/30 04:51
熊本県を中心とした九州地方で7月28日に発生した熊本地震を受けて、震源となった熊本県内では医療機関44施設で断水や停電などの被害(29日午後1時時点)が発生した。被災地周辺に工場や拠点がある製薬企業や医薬品卸各社も対応に追われた。医薬品卸各社によると、一部で商品の落下などの被害が発生したものの、流通や供給への影響は確認されていないという。
厚労省などの発表によると、八代市や宇城市などの医療機関54施設が被災し、29日午後1時時点でも44施設で断水や停電などの被災状況が続いている。熊本南病院(宇城市)やあおば病院(同市)、希望ヶ丘病院(御船町)、八代更生病院(八代市)では病院間搬送の対応を行った。医薬品の流通については、医薬品の製造販売業者から被害報告があったものの、在庫対応により「製品の供給に支障はないとの報告を受けている」とした。
◎スズケン「備蓄する飲料水や食料品を被災地へ供給」 富田薬品は原状復帰急ぐ
主要卸各社に本誌が取材したところ、メディパルホールディングス(HD)は従業員や建物への大きな被害はなく、「本部や営業所で連携を取ることで、医療用医薬品の供給に支障は出ていない」と説明。アルフレッサHDは一部で商品の落下などが発生したものの医療用医薬品卸事業への影響はないとした。東邦HDも営業所や物流センターで商品の落下があったものの、選別作業は終えており、物流への影響はないと説明した。
スズケンは熊本地震による影響を発表した。「翔薬、三和化学、ユニスマイル(保険薬局事業:熊本県)にて事業活動を行っている当社グループの従業員について、全員の無事を確認している」と人的被害がなかったことを説明。八代支店で停電・断水が発生し、「現在も継続中」。九州の医薬品卸事業を手掛けるグループ企業の翔薬では熊本、鹿児島、長崎3県の5支店と福岡物流センター(SILC)で商品の落下等が発生したものの、「事業継続に影響ない程度に復旧ができている」とした。また、「スズケングループの各地で備蓄している飲料水や食料品等の支援物資を被災地へ供給している。支援物資については、各拠点を通じてお得意さまならびに社員・家族への供給を開始しており、今後も継続して対応する」としている。
地場卸の富田薬品(熊本市中央区)では、八代物流センター(熊本県八代市)で棚から商品が落下。商品の整理や点検など早期の原状復帰に向けた対応を進めている。なお、供給への影響は確認されておらず、「引き続き被害状況の把握および復旧作業を進めるとともに、医薬品等の安定供給の確保に努めていく」としている。
◎KMバイオ「現時点で重大な事態発生していない」 三和化学は熊本工場「被害状況は現在調査中」
製薬企業のうち、熊本市北区に本社があるKMバイオロジクスは、「現時点では事業継続に支障を及ぼすような重大な事態は発生していない」と発表。熊本県宇土市に工場がある三和化学研究所は「建屋および設備への被害状況について現在調査を進めている」としている。
◎卸連は災害対策本部を立上げ 製薬協「厚労省、日薬連と連携して対応」
日本医薬品卸売業連合会(卸連)は29日に災害対策本部を立ち上げ、被災地における営業所・物流拠点等の被害状況や医薬品の配送状況、医薬品供給に必要な支援について確認を進めている。29日午後時点で「供給に支障が生じているとの情報は寄せられていない」とした。
日本製薬工業協会(製薬協)は「厚労省や日本製薬団体連合会と連携の上で、災害時医療用医薬品供給マニュアルに基づいた対応を進める」とコメントした。