旭化成ファーマは６月29日、米コセリックス社とファスジルの経口剤および吸
入剤についてライセンス契約を締結、コセリックスが北米および欧州で狭心症
（経口剤）、肺高血圧症（経口剤、吸入剤）を対象に独占的に開発、販売する
権利を与えたことを発表した。旭化成は契約締結時一時金として875万ドル、
以降開発のステージアップなどに応じた支払いを受ける。

国内では旭化成が注射剤（エリル注Ｓ、適応＝くも膜下出血術後の脳血管攣縮
およびこれに伴う脳虚血症状の改善）を販売しており、脳梗塞治療薬としての
開発も進めている。海外では、01年に経口剤を、02年に注射剤を独シエーリン
グに導出した経緯があり、旭化成は04年３月に、経口剤に関して、シエーリン
グが米国で実施した狭心症を対象とした用量探索臨床試験の結果、有効性が確
認されたことを発表していた。しかし、シエーリングの重点領域からはずれ、
旭化成に返還されていた。

今回経口剤について、米国での狭心症を対象とした用量探索臨床試験が終了し、
特徴が確認されているほか、作用機序から肺高血圧症にも効果が期待されるこ
とから、コセリックスへの導出が決まった。