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政府 骨太方針2026を閣議決定 創薬・先端医療を成長経済の牽引役に MFN、薬価の環境整備も

公開日時 2026/07/22 07:00
政府は7月21日、経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太方針2026)を閣議決定した。高市政権が“責任ある積極財政”を掲げる中で、「創薬・先端医療への官民投資を拡大し、健康医療安全保障を実現する」と明記した。「創薬・先端医療を成長経済の牽引役」と位置づけ、環境整備を進める姿勢を示した。米国の最恵国待遇(MFN)価格政策を念頭に置いた環境整備や、27年度薬価改定でも「医薬品の画期性に対する初収載時における適切な評価」など、革新的新薬のイノベーションの更なる評価について検討を進めることも盛り込んだ。社会保障費については、「社会保障負担率の目標の検討」を進め、「社会保障改革について26年度中に改革項目の具体化と工程の明確化を図り、順次実施する」と明記した。

骨太方針の副題は、「「責任ある積極財政」元年 ~日本の挑戦を起動する!~」。高市政権が「責任ある積極財政の考え方の下、政府が一歩前に出て、官民手を携え、戦略分野への投資を進める」姿勢を鮮明にした。同日の閣議で決定された成長戦略を「強力に推進する」ことを明記。「戦略に盛り込まれた全ての具体的施策を着実に実行に移し、大胆な官民投資を実現する」とした。

「創薬・先端医療」も戦略17分野の一つに位置付けられる中で、官民投資を拡大する姿勢を強調した。特に、製薬業界が懸念を強める「米国の医薬品に係る最恵国待遇(MFN)価格政策」を「足元、諸外国の医薬品をめぐる政策の動き」として例示し、「その中でも必要な医薬品等が確実に上市される環境整備」を進めることを盛り込んだ。また、創薬やなどへの「AIの利活用推進」や「国際共同治験の倍増」などの目標を掲げて環境整備を進める考え。

あわせて、「特定重要物資を含む供給確保の必要性が高い医薬品等の国産化等による安定供給」や、「バイオ後続品の国内生産体制の整備」、「産業構造改革の推進による後発医薬品等の安定供給を図る」ことも明記した。

27年度薬価改定については、「経済・物価動向等の影響を受ける市場実勢価格を薬価調査等により的確に把握した上で、創薬イノベーション、医薬品の安定供給と国民負担の軽減の観点から、27年度薬価改定を実施する」と明記した。「その際、費用対効果評価制度について、客観的な検証を進め、これも踏まえ、制度の発展に向けた更なる見直しについて具体的に検討し、一定の結論を出す」とした。また、「我が国の医薬品市場の魅力を高める観点から、医薬品の画期性に対する初収載時における適切な評価や特許期間中の薬価の在り方を含め、革新的新薬のイノベーションの更なる評価について検討を進める」ことも明記。注釈に「市場拡大再算定及び持続可能性特例価格調整等」であることを明確にし、検討を進める姿勢を示した。

◎「社会保障負担率の目標」検討を進める 26年度中に社会保障改革具体化と工程明確化

社会保障関係費については、「現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくとの方針の下、国費だけではなく、給付費全体、公費・保険料負担、現役世代の可処分所得などを踏まえ、給付と負担の改革を継続していく」と明記。「骨太方針2025と同様、経済・物価動向等を踏まえ、的確な対応を行いつつ、これまでの歳出改革努力を継続し、27年度の社会保障負担率が25年度と比較して上昇しないよう取り組む」とした。また、「社会保障制度が果たす機能を損なわないよう配慮しつつ、社会保障負担率の目標の検討を進め、これとあわせて、社会保障改革について26年度中に改革項目の具体化と工程の明確化を図り、順次実施する」と明記した。

注釈に「特に、高齢化や高度化等への対応が必要な医療給付費については、経済が成長し賃上げが継続する“強い経済”の構築に向けた取組を進める中で、診療報酬に経済・物価動向等を基本的に反映しつつも、医療給付費の対GDP比や雇用者報酬の伸びとの関係などを参照しつつ、医療費適正化計画の次期改定に向けて抜本的な見直しを行うことを含め、改革を継続する」ことも盛り込んだ。

◎70歳以上の高齢者の窓口負担見直し「改革工程表を26年末までに策定」

具体的な施策については、「70歳以上の高齢者の医療費窓口負担割合について、低所得者等の必要な受診が確保されるよう適切に配慮することを前提として、原則3割となっている現役世代との間で年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から見直しを行う。そのための改革工程表を26年末までに策定する」ことも明記した。

また、「医療・介護保険における金融所得・資産の扱い、OTC類似薬の保険給付の見直しの施行とその状況等を踏まえた27年度以降の対象範囲の拡大に向けた検討など、改革工程等に基づく取組を進める」とした。「先行バイオ医薬品について、バイオ後続品の普及促進に向けた環境整備の状況を踏まえ、保険給付の在り方の見直しを検討する」、「長期処方やリフィル処方箋の活用、地域フォーミュラリの全国展開、休薬・減薬などの効果的・効率的な治療の促進等により、給付の効率化や適正化を図りつつ、質の高いサービスを提供する」ことも盛り込んだ。

◎日本成長戦略も閣議決定 創薬から実用化まで一気通貫で “世界直行型“の開発を実現

同日、「日本成長戦略」も閣議決定した。「健康医療安全保障の構築に向け、医薬品産業を成長・基幹産業と位置付け、官民が一体となって取組を進める」と明記。投資を進める主要な製品・技術として「ファーストインクラス製品・ベストインクラス製品」を掲げ、「創薬シーズ創出から実用化まで一気通貫で進める環境を整備し、“世界直行型“の開発を実現する」と明記。「我が国の特許品の市場規模について、 特許品の世界の成長に比肩する成長を目指す」、「我が国企業の特許品市場規模について、世界市場と同水準の成長の実現を目指す」ことを目標に掲げた。実用化を担う人材の育成や流動化の支援やスタートアップ支援強化、免疫・再生医療等の基礎研究力強化などを具体的な施策にあげた。「バイオ医薬品・再生医療等製品等」では、「iPS細胞や抗体薬物複合体等の技術的強みを活かし、国内生産基盤を維持・構築し、製造受託実績を積み上げるとともに、新領域の国産基盤技術開発、創薬ベンチャーのグローバル展開を促進して海外市場を獲得する」とした。目標には、「40年の我が国企業の売上げについて、世界シェア10%、33.4兆円を目指す」ことを掲げた。

「感染症対応製品」では、「抗菌薬等を始めとする治療薬等について、25か国以上への国際展開を目指す」、「免疫グロブリンについて、国内自給率100%を目指す」、「次なる感染症危機での全国民分(約1.2億人分)のワクチン等の確保を目指す」ことを目標に掲げた。

◎規制改革実施計画 医療等データの一次利用及び二次利用の一体的制度設計を推進

このほか、同日は、「規制改革実施計画」も閣議決定した。「医療等データの一次利用及び二次利用の一体的制度設計」を推進することを明記。「医療等データの利活用に関する基本理念や包括的・体系的な制度枠組み及びそれと整合的な情報連携基盤の在り方を含む全体像(グランドデザイン)について、EHDSを参考にしつつ、質が高く効率的な医療提供のためには、医療機関等におけるデータ共有の一次利用を促進するとともに、一次利用のために作成・収集されたデータが二次利用で適切に利活用されるなど、一次利用と二次利用を一体的に設計し、データ利活用の価値還元が循環的に行われる仕組みの構築が必要であるとの指摘や声などを踏まえ、関係府省庁(特に一次利用については、厚生労働省)と連携しつつ、引き続き検討を主導して進め、26年夏を目途に結論を得た上で公表する」としている。



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