大日本住友 中期経営計画を発表、海外に戦略投資を集中
公開日時 2007/02/27 23:00
大日本住友製薬は2月27日、中期経営計画(07―09年度)を発表した。国内事
業基盤の強化を図る一方で、米国での自販体制の整備に向け研究開発費、販促
費の大幅な投資を行う計画を打ち出した。3年間の戦略投資額は300億円超を
予定し、その5~7割弱を自社海外承認取得の推進と米国自販体制整備(市場
調査を含めたマーケティング機能の整備)にあてる。2020年には海外売上比率
を50%に引き上げたい考えを示した。
統合新社として初となる中計は、国内での強固な収益基盤確立、海外自販の進
展、パイプラインの充実を柱とする2017年の中長期ビジョンの達成に向け「グ
ローバル化に向けた事業基盤の整備・強化」の期間と位置づけた。
国内収益基盤の強化では、戦略4製品(アムロジン、ガスモチン、プロレナー
ル、メロペン)に営業資源を集中。09年度の医薬品事業の売上目標2330億円の
うち、5割を戦略4製品、約1割を申請中のARBイルベサルタンや昨年6月に
発売した深在性真菌症治療薬アムビゾームなど新製品群で獲得したい考え。MR
数は当面1500人体制を維持するが、IT活用による効率化によっては減らす可能
性もあるとした。
海外事業展開に向けた体制整備では、統合失調症治療薬ルラシドンを核と位置
づけ、米国自社開発・販売を目指す。ただ、上市は2012年頃となる見通しで、
中計期間中の売上貢献はない。海外開発品はルラシドン以外にもフェーズ2以
降に5品目あり、海外売上比率を現在の8.5%から17年に30%以上、22年には5
0%を目指す。グローバルレベルで戦える研究開発型で、国内・海外事業を収
益の2本柱とする企業像を描く。
最終年度にあたる09年度の経営目標は売上高2950億円(06年度予想2600億円)、
うち医薬品事業の売上高2330億円(2045億円)、営業利益500億円(420億円)、
純利益300億円(220億円)、研究開発費550億円(420億円)。05年5月の統合
新社経営計画説明会で掲げていた07年度の経営目標は売上高2800億円、営業利
益500億円、研究開発費450億円だった。