厚労省調査会 タミフル副作用問題、当面現行措置の継続が妥当
公開日時 2007/04/04 23:00
厚生労働省の薬食審医薬品等安全対策部会安全対策調査会は4月4日、抗イン
フルエンザ薬タミフル服用と異常行動や突然死との関係を結論づけるには至ら
ず、当面現行措置を継続することが妥当との見解をまとめた。中外製薬からの
副作用報告などを検討した結果。安全性についてさらに詳細な調査検討を行う
ワーキンググループ(WG)の設置を決めた。WGではタミフル服用によるインフ
ルエンザによる死亡率への影響(ベネフィット)にも焦点を当てる案も出され
た。
調査会では、中外製薬からの副作用報告1079人/1465件(販売開始~3月20日)
を中心に議論した。このうち死亡事例は55人で、異常な行動が記録されている
事例8人と突然死9人が含まれている。しかし、インフルエンザそのものによ
る異常行動や突然死の可能性もあり、提示されたデータからタミフル服用との
関係を結論づけるには至らなかった。
調査会の下に設置する臨床的調査検討WGのテーマは、▽異常行動、突然死など
の副作用の詳細な調査検討、またハイリスク患者に特有な問題の有無の検討▽
今後の臨床研究の計画、結果などの検討▽06年度厚生労働科学研究費補助金
「インフルエンザに伴う随伴症状の発現状況に関する調査研究」の結果などの
検討――。基礎的調査検討WGは、今後の基礎的研究(タミフルの神経生理学的
な作用をさらに明らかにするための脳内への移行など)の計画、結果などを検
討する。