バイエル薬品・ロビンスキー社長 250人の人員削減を計画
公開日時 2007/04/11 23:00
バイエル薬品の新社長に就任したジャン-リュック・ロビンスキー氏は4月11日、
就任後初となる記者懇談会で、7月に予定している日本シエーリングとの統合の
進捗状況や今後の事業展開について語った。その中で、08年夏頃までに日本シエ
ーリングが所有する大阪工場を閉鎖するとともに、09年初めまでに管理部門のス
タッフ削減を含め250人の人員削減を計画していることを明らかにした。
統合後の売上高は1570億円(06年実績、薬価ベース)で、国内医療用医薬品市場
で18位(06年はバイエル薬品医療用医薬品事業24位、日本シエーリング39位)に
浮上。従業員数は2630人、MR数は1280人体制となる。統合後にMRの削減は行わな
い予定。
疾患領域別の売上高の内訳は、プライマリーケア領域が52.3%と半数を占め、続
いて画像診断薬28.7%、専門治療薬8.3%、血栓止血領域6.9%、ウィメンズヘル
スケア2.3%、オンコロジー1.4%となる。開発品目も拡充し、現在がんや造影剤、
婦人科系を中心に9品目を申請中。
ロビンスキー社長は会見で、統合効果として「国内ランキングで20位内に入るこ
とができ、規模が大きくなり、今まで不可能だったことが可能になると期待して
いる」と強調。特定の分野にフォーカスするベスト・イン・クラスの組織を構築
し、市場成長率を上回ることを目指すと語った。プライマリーケア領域では高脂
血症治療薬ゼチーアの発売でさらなる成長を目指すほか、腎細胞がん治療薬ネク
サバールの発売などでスペシャリティ事業を育成したいとした。
また、独バイエルヘルスケアが3月に全世界で6100人、日本を含むアジア・太平
洋地域で750人の人員削減計画を示していたが、今回発表した日本法人での人員
削減により、「コスト削減とポートフォリオの両面での効果が期待できる」とし
た。
統合のスケジュールとしては、4月にひとつのマネジメントチームによる経営を
スタートし、全ラインのマネジャーを任命。7月には一法人として業務プロセス
の統合を終える予定で、08年中旬までには本社ビル(大阪)、工場(滋賀)を1
ヵ所に集約する計画。