塩野義製薬は５月12日、08年３月期通期決算を発表した。国内医療用医薬品は
前期比2.1％増収、主力の抗生物質は減少したものの、最注力したスタチン系
クレストールが100億円を突破したほか、新適応や剤形を追加した抗アレルギ
ー薬クラリチン、がん疼痛治療剤オキシコンチンが堅調だった。また、工業所
有権等使用料収入が50.7％増の320億円（うちクレストール298億円）となった。
同収入の拡大などにより原価率が改善し、研究開発費増を吸収して大幅増益と
なった。

09年３月期は、国内医療用医薬品は5.0％増収予想。S‐2367（肥満症）やS-77
7469（アトピー性皮膚炎）などの海外開発進展で、引き続き研究開発費が増加
するが、工業所有権等使用料収入や新製品の販売拡大により２桁増益を見込む。

手代木功社長は「クレストールのロイヤリティ収入は2016～17年まで継続する。
これを有効に活用し大きく成長する基盤づくりを着実に進めていきたい。継続
的にグローバル開発を行うことが非常に大きな課題。また、国内収益体制を強
くするため、クレストールのほかARBイルベタンなど新製品にリソースを集中
しシェア拡大に努め、トップラインを強固なものにしていく」と語った。

〔連結業績（前期比）09年３月期予想〕
売上高　　2142億6800万円（7.3％増）2310億円
営業利益　403億9900万円（40.0％増）480億円
経常利益　398億7900万円（41.9％増）480億円
純利益　　250億6300万円（34.8％増）300億円
研究開発費　402億円（7.6％増）480億円

〔07年度（06年度）08年度予想、億円〕
フロモックス　　　286（306）270
フルマリン　　　　122（133）110　　　　
イムネース　　　　117（117）105
塩酸バンコマイシン106（129）95
クレストール　　　104（25）190
リンデロン等外用　100（101）100
クラリチン　　　　90（72）95
オキシコンチン　　66（52）82
フィニバックス 　25（20）38
アベロックス　　　19（24）25
イルベタン　　　　―（―）20
ピルフェニドン　―（―）５
アダパレン　　　―（―）４
工業所有権等使用料収入320（213）410
うちクレストール　　　298（194）388