抗インフルエンザ薬タミフルと異常行動の関連性を調査している厚生労働省の
「リン酸オセルタミビルの臨床的調査検討のためのワーキンググループ」は６
月17日、中外製薬に実施を求めていた睡眠と夜間の心電図に関する２つの市販
後臨床試験の結果について議論し、ともに関連性を示すデータは得られなかっ
たと発表した。

睡眠に関する臨床試験については、20～24歳の被験者31人を対象にタミフルと
プラセボを服用したときの睡眠への影響度について、睡眠薬の開発などで活用
される睡眠検査室試験で検討したもの。睡眠時の異常な行動と関連するとみら
れた深睡眠やレム睡眠などでも明らかな変化はなかったとした。

夜間の心電図に関する臨床試験についても20～51歳の被験者12人にタミフルと
プラセボを投与し、夜間の心電図への影響をホルター12誘導心電計で検討した
が、問題はみられず、異常行動や突然死に繋がるものはなかったとした。
これらの結果は今後WGとしてまとめる報告書に反映される予定。