厚生労働省の肝炎治療戦略会議は６月20日、C型肝炎（1b高ウイルス型）の根
治率を現在の約50％から約70％まで引き上げることなどを盛り込んだ「肝炎研
究７ヵ年戦略」を策定した。次世代のインターフェロン治療法による根治率の
改善や副作用の少ない治療法・治療薬の開発などを課題に掲げた。そのほかB
型肝炎、肝硬変、肝がんでも基礎研究や疫学研究、臨床研究などでの課題を挙
げており、その上で７年後の数値目標を盛り込んでいる。

B型肝炎では、最新のインターフェロン治療の開発に関する研究のほか、多剤
耐性ウイルスの機序の解明の研究などを課題に挙げた。目標値としては臨床的
治癒率を現在の約30％から約40％に引き上げることとした。
肝硬変の課題は肝線維化の機序の解明や、肝再生や肝臓機能回復に向けた研究、
がんワクチンなど肝硬変から発がん予防を念頭に置いた治療法など。病状が進
行し自覚症状のある非代償性肝硬変の５年生存率を現在の約25％から、B型肝
炎由来で約50％、C型肝炎由来で約25％に改善するとしている。
肝がんは、診断マーカーや最新の医療機器を使った超早期発見技術、新規治療
法の開発を盛り込んだ。５年生存率を約25％から約40％まで改善を図るとした。

同戦略は、今年度からスタートし、14年度までの７年計画で、研究の進捗状況
を３年後に評価し見直す。健康局・疾病対策課肝炎対策推進室によると「（７
ヵ年戦略について）企業に情報提供を行い、協力を呼びかけたい」としている。