日薬連 薬価制度改革案、市場への影響は1.7兆円圧縮に
公開日時 2008/06/25 23:00
日薬連は6月25日の中医協に、昨年12月に提示した薬価制度改革案で実現した
場合の市場への影響の試算を提示した。10~20年の累積でみると、新薬につい
ては評価の改善で3.3兆円増加する一方で、後発品使用促進が5.0兆円の減少
(長期収載品の減少:11.0兆円、後発品の増加:6.0兆円)を見込めるため、
差し引き1.7兆円の市場縮小に繋がるとの推計を示した。推計は▽後発品の数
量ベースシェアは12年までに30%を達成し17年まで同様の傾向で増加する▽10
年以降に上市される新薬は薬価差20%縮小するように実勢価格が改善する――
など前提条件を仮定して算出した。
日薬連が提案している薬価制度改革案は、企業が届け出た価格に対して新薬評
価組織が評価し中医協が承認するといった「届出価格承認制」や、特許期間中
の医薬品や必須医薬品などは一定要件のもとに薬価改定を猶予・免除される
「エグゼンプト・ドラッグ」を盛り込んだ内容。昨年12月のヒアリング時に提
案した内容を骨格としている。
今回はさらに、新薬の評価において、三極同時開発製品であって日本が世界で
最初に承認された場合などでは薬価に加算できるルールのほか、類似薬と比較
する現行方式を基盤にそれぞれの新薬に見合うフレキシブルな加算率を設定で
きる仕組みなど、改善点を加えた。
薬価制度改革案については、同日の中医協薬価専門部会で専門委員の長野明氏
(第一三共・常務執行役員信頼性保証本部長)と禰宜寛治氏(武田薬品・コー
ポレートオフィサー業務統括部長)が意見陳述を行う予定だったが、直前に行
われた総会で後期高齢者終末期相談支援料の一時凍結についての議論が長引き、
延期となった。