厚労省・調査会 イレッサ投与、タキソテールより優先する根拠なし
公開日時 2008/08/03 23:00
厚生労働省の薬食審・医薬品等安全対策部会安全対策調査会は8月1日、肺が
ん治療薬イレッサの使用について、同様にセカンドラインで使われるタキソテ
ールに優先してイレッサを積極的に選択する根拠はないなどとする昨年2月に
調査会が示した対応策を継続する方針を決めた。近く添付文書などにも反映さ
せる。
同調査会は昨年2月、イレッサについて、アストラゼネカが承認条件により実
施した国内第3相臨床試験(タキソテールとの直接比較)の結果をもとに対応
を検討。当面の対応として「1または2レジメンの化学療法歴(少なくとも1
レジメンは白金製剤を含む)を有する手術不能または再発非小細胞肺がんの患
者の治療に際し、一般的にドセタキセル(タキソテール)に優先してゲフィチ
ニブ(イレッサ)の投与を積極的に選択する根拠はない」とする意見書をまと
め、さらに患者背景や後治療の影響、未整理のデータなど詳細な解析を検討す
ることが必要としていた。
アストラゼネカは、今回、国内第3相試験の解析結果と海外で行われたINTERE
ST試験の結果を提示。第3相試験は▽主要評価項目である全生存期間における
ゲフィチニブ群のドセタキセル群に対する非劣性を示すことはできなかった▽
後治療が全生存期間に何らかの影響を与えた可能性が考えられるが、それを正
確に評価するのは困難▽全生存期間についてサブグループにおいて治療群間を
比較した場合、ゲフィチニブ群がより高いグループは明らかにならなかった―
―などとした。またアジア地域の患者が2割を占めるINTEREST試験は、全生存
期間でゲフィチニブ群のドセタキセル群に対する非劣性が示された。