薬食審・第一部会 塩野義の特発性肺線維症治療薬が通過
公開日時 2008/08/31 23:00
厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会は8月29日、塩野義製薬の特発性肺線維
症治療薬グラスピア(一般名:ピルフェニドン)について承認を了承した。同
剤は世界で初めての特発性肺線維症治療薬。承認については、薬事分科会で改
めて審議する。正式承認前までに製品名を「ピレスパ」に変更予定。
特発性肺線維症は、原因不明で肺が繊維化していく、特定疾患に指定されてい
る難病。平均生存期間は2年半から3年と予後も悪い。患者数は約1万4000人。
治療は、免疫抑制剤やステロイド剤などによる治療が行われている。審査管理
課によると、グラスピアは抗繊維化作用があるのが特徴という。一方で副作用
として光線過敏症が51.7%の高頻度で発現することや、薬剤の作用機序が必ず
しも明確になっていないことなどの懸念点もある。欧米では現在フェーズ3を
実施中。
そのほか、大日本住友製薬のスミフェロン(インターフェロンアルファ)は、
C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善の効能を追加した。C型代償性
肝硬変の治療薬としては東レのフェロン(インターフェロンベータ)があるが、
対象はセログループ1でウイルス量が100KIU/mL以下の場合に限られている。
スミフェロンはセログループ1でウイルス量が500KIU/mL以下を対象とした。
そのほか、バイエル薬品の閉経後骨粗しょう症治療薬ウェールナラ(エストラ
ジオール・レボノルゲストレル)、ジュリナ(エルトラジオール)の閉経後骨
粗しょう症の適応拡大、透析中の慢性腎不全患者における高リン酸血症治療薬
ホスレノール(炭酸ランタン水和物)、佐藤製薬の甲状腺機能検査における診
断補助薬タイロゲン(ヒトチロトロピンアルファ(遺伝子組換え))、ノーベ
ルファーマの新生児けいれん治療薬ノーベルバール(フェノバルビタールナト
リウム)が通過した。