バイオベンチャーのLTTバイオファーマはこのほど、同社元社長の山中譲と同
社子会社アスクレピオス（現在自己破産）元社長の齋藤栄功が丸紅の偽造書類
を悪用した架空投資事件の外部調査報告を公表した。調査を行った早川修弁護
士（東京第二弁護士会）は「LTTバイオファーマ取締役としての地位に基づき
行われた犯行ではない」との結論を下した。

理由に「山中の電子メールを見る限り、元丸紅担当課長として丸紅との橋渡し
役を演じ、丸紅の社員と連動して動くことで、投資家を丸紅による実質債務保
証と誤信させ、投資を導いた」ことを挙げた。齋藤氏もLTTの取締役の地位を
利用した形跡はなかったという。

山中と齋藤両氏は６月15日に詐欺容疑で警視庁に逮捕された。それを受けLTT
は同月、犯行とLTTとの関連についての調査を早川弁護士に委託していた。