キッセイ薬品 悪性中皮腫に対する抗体医薬を導入
公開日時 2008/09/10 23:00
キッセイ薬品は9月10日、バイオベンチャーのワイズセラピューティックス
(本社:東京都渋谷区、中村正憲社長)が創製した抗CD26ヒト化抗体YSCMAを、
悪性中皮腫治療薬として日本で開発する権利を取得したと発表した。ワイズは
米仏でフェーズ1準備中。キッセイは海外試験の結果を踏まえて日本での開発
方針を決めたいとしている。契約金額などは非公表。
悪性中皮腫は、アスベストの吸入が原因とされ、日本では過去に大量にアスベ
ストを消費していたことから、患者の増大が社会問題化している。非臨床試験
では、がん細胞の膜上に発現しているCD26に特異的に結合し、細胞傷害作用に
より増殖を抑えることが確認されたという。今回の契約では、悪性中皮腫を対
象に日本でのサブライセンス権付き独占的開発販売権を獲得した。
キッセイは泌尿器系薬剤や糖尿病薬などを得意とするが、今回の導入は近年力
を入れているという、十分な治療薬がないアンメットメディカルニーズへの対
応への一環で行われた。