データモニター 分子標的抗がん剤の最大の脅威はコスト意識
公開日時 2008/10/19 23:00
英の市場調査会社データモニターは、分子標的抗がん剤の市場分析をまとめ、
「今後数年間、製薬・パイオテク業界において最大の成長が望める領域のひと
つ」としながらも、がん発症数・標的療法使用の増加、薬剤の高価格の要因か
ら医療費予算の負担が増加し、政府が使用制限に動くおそれを指摘した。
同社のオンコロジーアナリストのトム・グレイ氏は「英国では、国立医療技術
評価機構(NICE)が、費用対効果の低さを理由に標的療法数点の国民医療サー
ビス(NIH)での使用を推奨しない動きを見せている。他の医療制度が英国の
例に倣う可能性も高く、市場の成長鈍化、ひいては患者が使用可能な治療の効
果に影響を及ぼしかねない」との見方を示した。
同社によると、分子標的抗がん剤市場は08年~17年にかけて、総売上高は年平
均11%で成長し、17年には主要7カ国(米、日、仏、独、伊、スペイン、英)
で420億ドル以上に達すると予想。グレイ氏は07年の上位3製品であるリツキ
サン、ハーセプチン、アバスチンが「17年段階でも上位3位を占め、主要7カ
国で計230億ドル以上の売上を達成するものと予測している」としている。