卸連・十大ニュース 「政府の医薬品卸への支援強化」 川柳は「インフレの 波に乗れない 薬価だけ」
公開日時 2025/12/26 04:48
日本医薬品卸売業連合会(卸連)は12月19日、年末恒例の「業界十大ニュース」ならびに「業界川柳ベストテン」を発表した。十大ニュースでは、「政府の医薬品卸に対する支援強化」が1位となり、GLP-1受容体作動薬の発売を背景に急成長する「肥満症治療薬の市場成長」が2位となった。また川柳では、インフレ下でも引き上げられない薬価を嘆く声が1位となり、ニュース・川柳いずれも、出荷調整への対応やAI活用への戸惑い、医療DX導入に伴い現場で一層の効率化を求められる状況が浮き彫りとなった。
業界十大ニュースを見ると、医療政策や制度に関する話題が多くを占めた。3位には「医薬品の安定供給に向けた薬機法の改正」がランクイン。5月の薬機法改正では、安定供給体制の強化や創薬環境の整備などが盛り込まれており、医薬品の安定供給は業界において最重要事項の一つであることを改めて示した。また、「全国の公立病院、医療機関等の経営悪化が深刻化」(4位)や「慢性的な医療従事者、看護師等の人材不足」(10位)といった項目からは、医療現場が置かれている厳しい状況もうかがえる。
業界川柳ベストテンでも、安定供給問題を題材にした作品が目立った。「品不足 石の上にも あと何年?」(2位)や「欠品も 通常業務と 昇格し」(8位)など、供給不安が日常化している現状を嘆く声が多く寄せられた。卸売業界でも一日でも早い解決を望む切実な思いがにじむ。一方、AI活用が日常的に進む中で、「AIの 活用増えて 知恵は減り」(6位)といった、業務をAIに任せることへの戸惑いを表した句も入選した。「AIに AI操作を 訊ねてる」(10位)は、もはや理にかなった活用の仕方とも言えそうだ。
このほか、2025年は大阪・関西万博が開催されたことを受け、「ミャクミャク」を題材にした川柳も複数見られた。また、24年から続くコメ不足になぞらえ、「足りないと 値段が上がる コメはいい」(5位)と、薬価と対比して皮肉を込めた川柳もランクインした。26年は医薬品を含め、安定供給に向けた取り組みが一層進む年となることを期待したい。
【業界十大ニュース】
1位 政府の医薬品卸に対する支援強化
2位 肥満症治療薬の市場成長
3位 医薬品の安定供給に向けた薬機法の改正
4位 全国の公立病院、医療機関等の経営悪化が深刻化
5位 生成AIの医療現場への本格導入
6位 流通改善ガイドラインの推進
(妥結確認書・価格妥結における参考資料作成)
7位 先の見えない出荷調整
8位 最低薬価引き上げ
9位 トランプ関税による日本の医薬品業界に及ぼす影響懸念
10位 慢性的な医療従事者、看護師等の人材不足
【業界川柳ベストテン】
1位 インフレの 波に乗れない 薬価だけ
2位 品不足 石の上にも あと何年?
3位 脈々と 生命(いのち)をつなぐ お手伝い
4位 ノー検品 ノー欠品で NO返品
5位 足りないと 値段が上がる コメはいい
6位 AIの 活用増えて 知恵は減り
7位 欠品も 通常業務と 昇格し
8位 効率化 医療DXに 待ったなし
9位 ミャクミャクと 流通もまた 脈を打つ
10位 AIに AI操作を 訊ねてる